六本木OFFICE 2048
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>>LOCATION
場所は六本木一丁目。駅直結の泉ガーデンや六本木グランドタワーに始まり、開業間近の麻布台ヒルズなど超高層ビルが多く立ち並ぶビジネス街としての側面が強いエリア。そんな高層ビルの足元には、公開空地として、広場や公園などが広々と設けられることが多く、意外なほど緑や自然に溢れているのも、このエリアの魅力の一つと言えるだろう。六本木一丁目駅から、そんな緑の多いスペイン坂を登った先に、空高く聳える塔のようなこのビルを見つけた。
>>SPEC & STATUS
かつて出石藩仙石家の屋敷があった高台に立つ、地上200m超えの建物。基準階約2000㎡の面積があり、高層ビルでありながらもドシッと構えた安心感を感じられる。その理由は、通常上層階に持っていきたくなる住宅部分を下部にすることで、荷重の大きい住宅躯体によって安定感を増した合理的な構造になっているため。そんな構造に加え、オフィス区画が上層階にあることで、360度、東京の街を一望でき、さらには東京タワーもすぐ近くに見えるという特別感も感じられる。
そして、ハイグレードビルならではのスペックも充実。揺れを制御する「ブレーキダンパー」と揺れを吸収する「粘性体制振壁」という2種類の地震に対しての備えによって、大震災を想定した耐震性能を実現。1F,B1Fのエントランスには、「Passmooth」という、セキュリティドアを導入し、セキュリティ面だけでなく、高層ビルにおいて風が吹き抜けるドラフト現象を抑制し、室内だけでなく、建物全体の省エネ効果を向上させている。
比較的まだ新しいハイグレードビルということもあって、新たな技術を駆使し、より快適に、そしてより安全に働くことができる、そんなスペックを体感できるオフィスビルだった。
EDITOR’S EYE
実は、このビルの高層部の施工中に東日本大震災が発生。それを受けて、電気ではなく、供給の信頼性の高い都市ガス利用の非常用発電機を2台導入したほか、構造上も制振で高強度鉄筋コンクリート造として耐震性能を高めたりと、安全性を高めるために柔軟にプランを変更するあたりもハイグレードなビルらしい対応とも思えた。