渋谷OFFICE 1313
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>>LOCATION
日々、慌ただしく開発工事の進む渋谷駅周辺。そんなエリアを背にして、道玄坂を上る。最初は雑多で賑やかなこの通りだが、徐々に人通りも落ち着いてきて、マークシティー裏を越えたあたりからは、上を向いてケヤキ並木や空を眺めながら歩く余裕すら出てくる。そんな道玄坂と首都高が交わる少し手前に、まるで街路樹からインスピレーションを受けたようなこの個性的な建物が立っていた。
>>SPEC & STATUS
2017年に竣工したこの建物。設計は新国立競技場のデザインで知られる隈研吾氏によるもので、まるで街路樹の樹皮をモチーフにしているようなデザインは、一度見たらなかなか忘れられない存在感がある。オフィスビルには珍しく、エントランス周りにも多く木材が使われていたり、道玄坂に溶け込むような透明のミーティングルームも付いているなど、共有部もなかなかの仕上がり。室内はオーソドックスなオフィス仕様だが、窓先に望む道玄坂の風景や、ミニマムながら最新のスペックを備えた設備など、十分整っている。
いわゆるSクラスビルと言われるような規模やネームバリューはないが、デザイン性の評価ではSクラスと言っても言い過ぎな建物ではないんじゃないだろうか。そんな建物に拠点を構えること自体がちょっとした話題となるような、この建物に入った者にしか得られないステータス感はきっと多いはずだ。
EDITOR’S EYE
建物の外にいると、通り過ぎる人や観光客が建物の写真を撮っているシーンを多く見る。それだけ特徴的で、注目を集める存在ということだろう。築浅、立地、ビルのネームバリューなどもあって、近隣に比べても賃料はなかなか強気に感じるのは正直なところだが、多少コスパを度外視でも、会社の広告塔としても十分元は取れるような気がする。