EDIT
新国立美術館や21_21など、最先端の芸術文化が集まるクリエイティブな場所にある不可思議空間。多国籍な人々や文化の集まる六本木は、レトロで哀愁のある東京タワーや、最先端のミッドタウンなど、新旧様々な要素が良い意味でゴチャゴチャしている街。そんな六本木らしい異空間を発見した。いや、自然と引き寄せられたと言うべきかかもしれない。
大きな額縁のような窓と、丸い窓の付いた白い扉。まるで海外のレトロな家にでもお邪魔するような、そんな気持ちで扉を開けると、そこにはゾクゾクする空間が広がっていた。コンクリートむき出しの天井、無造作に走る多数の配管、鉄の扉のついた壁や、古い扉を使った謎の囲いなど、それらは全て白く塗装されているが、なかなか荒々しい。これまで何度も手を加えられて来たのだろう、その度に残されてきたテイストの違う建具や装飾などが、時間をかけてゆっくりとこの不可思議な空間を創り上げてきた。奥にある風変わりな折戸を開けると、高いコンクリート塀と樹木、その隙間から差し込む光がとてもシームレスな空間が現れる。静かに仕事するには適した空間だと思う。せっかくなら扉を開け放し、大きなワンルームとして使う方が面白そうだ。3方面の窓から射し込む光が、季節や時間によって刻一刻と場の表情を変える。ノマドスタイルで、気分によって好きな場所を選ぶと良いかもしれない。
この部屋を使いこなすのはなかなか難しそうだ。例えば普通のオフィス家具を置いたら、とてもナンセンスな空間になってしまうだろう。家具や雑貨に至るまで、一つ一つこだわらなくてはいけないほどセンスティブな空間だが、とても面白い挑戦とも言える。あなただけの風変わりなオフィスを創ってみてはどうか。
EDITOR’S EYE
以前はアパレル会社の事務所兼ディスプレースペースとして使われていたようなので、同じような使い方を求めている方にオススメな物件だ。こういう使い方もいいだろう。道路側の大きなガラス面には、ソファーやローチェアーを置いたミーティングスペースに。普段はみんなが集まる少しゆったりスペース。