外苑前オフィス|レトロビルのリノベーション空間
EDIT
>>LOCATION
青山通りとスタジアム通りが交わる外苑前交差点からスタジアム通りへ入る。名前の通りラグビー場や神宮球場、そしてその奥には新国立競技場までが並び、それぞれ試合がある日にはサポーターによる熱気が舞い上がる通りだ。そんなスタジアム通りに入ってすぐ、外苑前駅からはわずか数秒とも言える立地に、古くからこの通りを応援してきたような、色っぽいレトロビルを見つけた。
>>SPACE
竣工からは60年弱を迎える建物。1Fにコンビニが入っていることもあり、少々雑多な印象はありつつも、全体を見渡せば妙に色っぽく貫禄があり、上手に年齢を重ねたことがわかる。
そんな建物の4Fと5F、85㎡ほどの空間たちが今回の募集。どちらも2024年2月にリノベーションが完了したばかりという、イメチェンほやほや状態で、それぞれ異なる雰囲気をまとっている。4Fは天井・床をスケルトン仕上げで、単管パイプの造作などもあって無骨さが全開な空間。対して5Fは全体を白ベースでまとめ、差し込む光が空間で反射することで、意外にも明るく、クリアでフレッシュさを感じられる空間だ。そしてどちらも、面積の割には大きく真新しいキッチンが空間のアクセントとなり、この空間に若さを取り入れる。
室内は改修されてはいるが、建物が持つレトロさをいい感じに残していることもあり、真新しさからくる緊張感はなく、むしろ少し懐かしさを感じるような居心地の良い空間だった。
>>HOW TO USE
北青山エリアの再開発もあり、近隣で続々と新しい建物が建つなど、周辺環境は目まぐるしく変化しているが、この建物は変わらずこのエリアを支えてくれるような安心感がある。そして何より60年弱という、これまで積み重ねてきた経験が貫禄となり、入居者へ居心地の良さを与えてくれるのだろう。それであれば、空間はこれ以上下手に手を加えず、インテリアで更に居心地の良さを追加する、そんなイメージで使い方も考えてみるのが理想的。もちろん、広めのキッチンもしっかりと使う。エスプレッソマシーンやお気に入りのマグカップをインテリアとして並べ、窓先に抜ける青山通りの眺望を眺めながらゆったりと働く、そんな過ごし方も粋な時間となるはずだ。そうやって街の変化を楽しみつつも、自分たちはこの空間を楽しむことができたなら、愛着は増し、他にはない居心地を堪能することができることだろう。
EDITOR’S EYE
個人的に好きな空間だったが、空間の隅にある3つの個室がなんともミステリアスな印象だった。倉庫なのかテレカンブースなのか、回避できない構造壁だったのか、、、
そんな一面もこの物件にハマる1つの要因であることは確かだった。