代官山店舗・オフィス|屋根裏付き戸建て物件
EDIT
>>LOCATION
代官山駅から線路沿いに渋谷方面へと続くキャッスルストリート。通り沿いにキャッスルマンションという洋風な建物ができたことで、ついた名前だという。そんなキャッスルストリート沿いには、個性溢れるショップやカフェなどがありながらも、周辺には古くからの住宅も点在し、歩くだけでも楽しめる独特な穏やかな空気が流れる。今回ご紹介する物件は、キャッスルストリートの交差点近くで存在感を放っていた。
>>SPACE
建築当初は酒屋として使われたこちらの建物。おおよそ築60年以上経っていることもあり、その見た目はだいぶレトロ。傷んだ木の扉やシャッターの落書きも含め、経年が生み出す色気のようなものが滲み出ていた。
そんな建物の中は、前入居者が1棟丸ごと真っ黒に塗りたくったクールな空間。最初はその意外性に戸惑いすら感じいつつも、次第にこれはこれで1つ正解だろうと感じることができた。写真で見る限りマットな質感にも思えるだろうが、本来の木造の節や板目もしっかり残っており、さらには筋交いの露出もあって、質感はかなり良い。加えて、1Fから2Fの動線が2つ用意されていることで、店舗としての利用の幅も広がるし、階段裏の隠し部屋のような空間や、屋根裏にはちょっとした小部屋までもついてくる。全体から古さは感じるものの、独特な雰囲気や色気をまとう建物。一見ハードルは高そうにも感じるかもしれないが、1棟で使えることも考えると、夢は広がるのは自分だけではないはずだ。
>>HOW TO USE
外観の印象もあって、レトロな空間が広がると期待を抱きながら、いざ室内に入った時には、そうきたか、、!と感じてしまったのが率直な感想。建物周辺は再開発などが進み目新しい建物が増える中、ここは大きく飾ることもなく、自分を貫いているような印象がある。ただ、室内といえば入居者が変わるたびにテイストが大きく変わり、歳をとっても尚、自分を探しているような感じすらする。個人的には、風合いを楽しむべく素材への塗装はせずに、その質感を活かし、年相応の渋さを楽しみたかったところだが、ご覧の通りすべて真っ黒。。でも大丈夫。長い人生色々な経験も必要。これから気を取り直して、空間を白ベースで整えて、蛍光灯はスポットなどに変更し空間に柔らかさと色気を追加すれば、更生したかのようなクリーンな空間へなることもできるだろう。もちろんそれもこれからの入居者と建物が一緒に考えて、自分らしさの正解を導き出せれば良い。若さ自体はないけれども、まだまだ自分探し中のこの建物。そんな建物と向き合い、余すことなく楽しんでいただけるような入居者が現れて欲しいと願う。
EDITOR’S EYE
好みは分かれるかもしれないが、個人的には2Fの床が歩くたびギシギシと音と立てるのも好印象だった。見た目は変わっても年齢や建物が持つ本質は変わらないような、そんな奥深さも感じた。