千駄ヶ谷オフィス |天井高3.3mの築浅オフィス
EDIT
>>LOCATION
今回の物件があるのは、千駄ヶ谷エリア、明治通り沿い。この建物は、北参道駅から少し新宿方面へ進んだあたりに建っている。明治通りといっても、原宿や新宿のような人の賑わいはあまり無く、聞こえてくるのは主に車が走る音くらいで、少々殺風景な雰囲気ではあった。しかし、それぞれの賑わうエリアを繋ぐ中継地点のような役割も担っていて、代々木、原宿、新宿など、多方向へのアクセスが気軽なのは大きな魅力だろう。人通りが少ない故に、ゆったりとした道幅が少々寂しげではあるが、真新しさの残る物件が、通りにささやかな彩りを加えていた。
>>SPACE
2020年12月竣工である今回の物件。室内に入る前から、綺麗に磨かれたガラスのファサードや、今っぽいエントランスのロゴに迎えられ、随所に見られる「真新しさ」に少しウキウキした。しかし、一歩室内に入ってみると、一番に感じたのは空間の持つ謎の安定感。コンクリートのスケルトン天井とブラックのライトレールは、空間のポテンシャルをグッと上げるのに一役買っているが、反対に、特に荒っぽかったり、とことんクールだったりなどの、際立った個性を持たない。その結果、さらりとスタンダードを着こなすような、余裕ある装いに仕上がっているように見られた。言い換えれば、良い意味で普遍的な雰囲気のため、どんなレイアウトにも馴染み、裏切られる心配が無い。だからこそ、抜群な安定感を感じられたのだろう。生まれながらに「良い普通」の塩梅を理解しているような姿は、なんだか頼もしくも思ってしまった。
>>HOW TO USE
この空間、足元にはグレーのカーペットが敷かれていて、せっかくスケルトンの天井なのに、、と、その組み合わせに少し残念に思う人もいるかもしれないが、個人的には良い収まり方をしているなという印象だ。例えば、おしゃれなカフェで仕事をするより、図書館などの気取らない場所の方が集中できるという人もいるだろう。この空間は、その両者の良いとこ取りのような部分もあり、デザイン性のポテンシャルは保ちつつ、あくまで働く場としてのオフィスらしさ、良い意味で堅さも保持している。そんなどちらのモードにも切り替えられる空間は、まだオフィスのレイアウトも定まっていないスタートアップの企業には丁度良い物件かもしれない。入学早々、1年生からキメ込んだ格好をしても周りは少々鼻につくだろうし、かといってダサい格好もしたくない。既に絶妙な塩梅を知るオフィスと共に、会社自体も少しずつセンスを磨き、いずれは周りから一目置かれるような存在を目指してみても面白い。きっとその頃には、この空間にも立派な個性がくっついている事だろう。
EDITOR’S EYE
窓から、ずっと伸びていく明治通りを眺められるのもこの物件の魅力。うねる道をなぞって走る車を上空からぼーっと見ているだけで、不思議と時間が過ぎてしまった。天気の良い日は景色の抜け感も良いので、のびのびと気持ちよく働けることは間違い無いだろう。