御苑オフィス｜窓先に緑を望む居抜き空間

>>LOCATION
広大な敷地には緑が生い茂げり、さらには四季折々の表情を楽しむことができる新宿御苑。ゆったりとした時間が流れる園内は、ここが大都会のど真ん中であることを忘れさせてくれる、誰もが認める“都会のオアシス”だ。今回ご紹介する建物は、そんな新宿御苑に隣接する道路沿いで、目と鼻の先には緑が広がる絶好のポジションに堂々と立っていた。

>>SPACE
募集は3Fの一角で、手を加えられた居抜き空間。窓先の緑を借景に、テイスト豊かに作り込まれた空間は、ワクワクさせてくれるのに十分だった。
入り口周りの来客エリアは、明るくナチュラルなテイストで清潔感のある人当たりの良さそうな印象。奥には大中小+αそれぞれに個性の異なる会議室が設けられ、急な来客も“どんと来い”と構えているようだった。そして、メインとなるワークスペースエリアからは、南側の窓面に新宿御苑一色。“手を伸ばせば届きそう”という表現は大袈裟であるが、隣接地ならではの景色が広がりとにかく気持ちが良い。内装は柱・梁が黒で整えられ、壁面はレンガ調やコンクリート調と、いい意味で派手に遊んでいる。
来客エリアとワークスペースエリアとでしっかりとTPOをわきまえているかのような人間味をも感じられる空間であった。

>>HOW TO USE
基本的には十分に高いポテンシャルを持った空間。躯体現しにダークな無機質トーンで全体をまとめ、さらにアクセントでレンガを使った内装テーマはニューヨークのブルックリン区の古い倉庫を改装したかのような雰囲気が出ていて、その狙いに納得もさせられる。しかし、窓先は隣接する新宿御苑のリアルな緑を望むことができる絶好のロケーション。その対比を考えてみると、もう少し室内もリアルなテイストに合わせた方が、このロケーションとの相性は良さそうだ。床材、壁紙、造作物とポイントごとに、メンテナンスや加工のしやすさを優先した擬似品が気になってしまうのは自分だけではないはず。この立地、ロケーションであれば、経年劣化も共に楽しめる様な、質感ある空間が似合うだろう。もちろんそうすることで、過ごし方も変わりそうだし、愛着も高まり、居心地の良さも格段に良くなるはずだ。
このロケーションで体現したかった現在のテイストは十分賛同できる。しかし、この恵まれた環境へのふさわしさを探求するとしたら、ブルックリンがブルックリンらしい様に、御苑の立地にふさわしい御苑エリアのテイストをこの機会に考えてみるのはいかがだろうか？

上京したての頃から気持ちが落ちている時に訪れるのが新宿御苑。芝生の上で大の字になり、目を瞑って大きく深呼吸をすると気持ちがリセットされる。多くの人にとって、ここはパワースポット的な場所なのでは。そんな新宿御苑が職場の近くにあるのは心強いはずだ。