EDIT
副都心線の北参道の駅の出口を出てやや左方向を見ると、すぐに目を惹くブラウンのタイル貼りの大きな建物がそびえている。
明治通沿いには数多くの歴史的なビルが建ち並ぶが、1969年生まれのこの建物は、いま注目を集めるリノベーションのサンプルでも見かける事が多いだろう。フロアもクロスもきれいにされていて、そのままでもすぐに入居できるし、パテーションなども含め、1からのレイアウトを考える事もできる。広いスタジオタイプをそのまま利用して全面をオフィスにしてもかっこいいし、いくつかの部屋に分けて利用しても良い、入居者のセンスが問われる物件だ。もともと浴室だった部分は、浴槽などの設備を取り払っていて今は収納として使う事ができる。まさに時代に合わせて生まれ変わった最先端のオフィス物件といえるだろう。
都心において、「場所がいい」とされている所には、既に何かが建っている。時代の流れに絡んで行くには、既にあるスペースを自分好みに切り取って、創造していくのがてっとり早い。
レトロなんて言葉は当てはまらない、今一番旬な物件である。
EDITOR’S EYE
ヴィンテージマンションと言われる物件の最大の魅力は、立地の良さだ。今では買収できないようなプレミアムな場所に建っている事が多い。あとは自分のセンスを存分に発揮したインテリアで、抜け目のない空間にしてもらいたい。