EDIT
表参道の交差点を越え、根津美術館を過ぎると、ここが港区なのかというほど緑が深くなってくる。住宅が多くなってくるが、よく見ると1階がレストランであったり、ギャラリーであったり、サロンであったり、ちらほらと隠れ家のようなスペースを抱える建物が多い。
グループで勢い良くというよりは、少人数でひっそり着実に活動する。美術館を中心に、流行を追うというよりは、それぞれが個性を持って、独特のテンポで動いている。そんな雰囲気のあるエリアにこの建物はある。
外観は緑の屋根が特徴的な低層のシックな佇まいだ。中に入ると、メインフロアには一面の窓から明るい光が入るのは東南の角部屋の利点。景色は公園越しに六本木ヒルズというのも悪くない。サブの部屋が同じような広さで2つあるため、部屋数を十分利用して会議、作業、ブレスト、と目的ごとに空間をきっちりと分けられるのもテンションの切り替えに役立ちそうである。何より、この静かでハイソサエティな街の空気がイマジネーションの泉を満たしてくれるだろう。
インテリアは、北欧のカラフルなものや、60年代〜80年代のポップなものやモダンな和風のもので揃えたいところ。間取りが単純であるため、模様替えによる気分転換も用意にできそうだ。
過密都市の中の一部で、オフィスと自分の心の中だけはオリジナルのテンポを刻みたい人におすすめの1部屋である。
EDITOR’S EYE
根津美術館の周辺は常に何かの撮影が行われている、感度の高い場所である。当物件の前でも雑誌のロケが行われていた。アクセスも駅近というわけではないが、駅から毎日歩くのにもちょうど良い距離で、自転車があれば六本木ヒルズへも簡単に足を運べる。ど真ん中すぎない立地がここではかえってかっこよく見える。