広尾オフィス・店舗|重飲食可 1F路面スケルトン区画
EDIT
>>LOCATION
広尾駅前を走る外苑西通り。交通量の多い通りではあるが、道幅の広い通りのおかげか、空も広く感じられて、どことなくゆったりとした時間が流れている様な場所。通り沿いには落ち着いた雰囲気のカフェやレストラン、高級車のショールームなども多く、このエリアらしい大人な印象を感じられる。そんな通りを西麻布方面へ進んだところ。緑を多く配した余裕のある交差点の一角に、レトロな赤いレンガのこの建物が立っていた。
>>SPACE
以前までは、人気のレストランだった1F路面区画。現在もまだそこで営業しているかの様に、外観だけはそのままの状態になっている。室内はというと、全てを取っ払ったスケルトンの空間。もうそこに、賑やかな声や、食欲をそそる香りなどは残されてはいないが、何もなくなった空間は、90坪超の面積と3mほどの天井高もあって、ドーンと広がる気持ち良さを感じられた。構造上残された壁によって、一部区切られていることも作用して、その奥には、まだ隠されたスペースがある様な期待感をもたらしている。そして、この空間に入った時から感じていたのは、なんだか温かみがあること。残された窓枠のウッドの質感だったり、壁のオレンジ色など、スケルトンでありながらちょっとした温もりも感じるクールすぎない印象。さらには、広い道路の反対側の建物からの反射もあって、1F区画でありながらも意外と陽が差し込み、明るさも確保されている。そんな様々な要素が重なって、ある種清々しくも感じられる、そんな空間だった。
>>HOW TO USE
この空間は、前入居者もその前も長い間飲食店が続いていたこともあって、このエリアで過ごす人々にとっては、飲食店のイメージになっている物件ではないだろうか。もしかしたら、次はどんな飲食店が入るのかという期待もあるかもしれない。しかし、角地にあって、歩いていても車に乗っていても目に留まる様な絶妙なポジショニング。そして存在感のある建物の顔となる区画においては、広々とした空間を活用した、様々な利用方法がイメージできるため、先入観で用途を限定してしまうのは少々勿体無い気がした。空間を2:1くらいの割合で仕切る壁をうまく活用し、事務所兼店舗やショールームなどきっと相性は良い。ファサードも含め、ガラッと印象を変えて、イメージチェンジすることで、通りゆく人々に新しいワクワクを与えることもできるだろう。
空間に入った時に良い気を感じるのは、空間自体の印象だけではない気がする。雰囲気良く利用していた前入居者とそこに集っていた人々の笑顔や声など。そんな過去の良い残影を感じながら、新しい形でこの場所を盛り上げ、さらに良い空間の印象を重ねていって欲しい。
EDITOR’S EYE
前入居者であるイタリアンレストランは、今は永田町の方で営業中とのこと。堀の近くの景色の良いビルで、変わらず雰囲気良く利用しているようだ。この空間を引き継いだ次の入居者が、会社のイベントごとなどで、そのお店にお邪魔する。そんな関係も実現できたら素敵だと思った。