目黒オフィス|目黒川側 スケルトン空間
EDIT
目黒駅から、行人坂を下っていく。雅叙園を横目にさらに進んでいくと、目黒川に架かる太鼓橋が見えてくる。かつて歌川広重が江戸名所百景として描いたこともあるその橋は、建設された当時では珍しい石造りで名前の通りアーチを描いた太鼓橋だったとのことだが、後に豪雨で流されてしまい、今ではコンクリートの平たい橋へとリニューアルされている。その歴史ある橋の手前に、マンションタイプの建物がある。ここの1Fもまた、200年以上の歴史を誇る鰻屋から近年、惜しまれながらもスーパーへ、、と移り変わった建物だ。そして今回その建物の4Fが次なるリニューアル候補として変貌の時を待っているのでご紹介したい。
室内は見ての通り完全スケルトン。無骨で荒々しい空間は、壁や床だけでなく、水回りや空調といった設備も持ち合わせていないため一から作りこむ必要がある。初期の出費は覚悟が必要だが、自分好みの空間に仕上げる事が出来る点は、メリットとポジティブに考えてもいいだろう。さらにスケルトンの外側は3面バルコニーとなっていて、全てから目黒川の桜並木を望むことが出来る。その眺望は目線の高さではないためベスポジとは言いがたいが、目黒川と桜並木を上から見下ろすというなかなか希少な眺望は悪くない。いくらお金をかけても手に入れることは出来難いロケーションに加え、好き放題作り込むことができるスケルトンの空間と、唯一無二のオフィスを作るためのポテンシャルは十分に揃っている。
春はピンク色、夏は緑色、秋は赤色、冬は枝だけの茶色と桜並木は季節ごとに鮮やかな色の変化をみせる。リバーサイドの健やかなオフィスをテーマにして、天井、壁、床まで全て真っ白な空間に仕上げてみてはどうだろうか。内装のコストを抑える点でも、床だけ整えてこのまま真っ白に。明るく風通りのいい穏やかな環境の中、桜並木にも負けず劣らず伸び伸び活き活きと仕事に取り組めそうだ。折角なので天気の良い時には、窓を解放してこのロケーションを十分に味わえる使い方をしてみてほしい。あとはこの空間で如何に楽しく働くか。それは、会社のスタイルや、個人のカラーによって仕上げてみていただきたい。
EDITOR’S EYE
気がついた方もいるかもしれないが、撮影日は雷雨の後でたまたま目黒川の色が不自然なほど緑色になっていた。私も撮影時はファインダー越しに二度見、三度見してしまった。。どうやら川の状況は天気や気候で変化するよう。そうとなれば、桜並木だけではなく、目黒川の色の変化まで楽しんでいただきたい。