EDIT
渋谷区猿楽町は、2012年代官山で最も話題となったT-SITEの近く。もともと住宅地であるが、T-SITEができる前からもヒルサイドテラスを中心として、センスの良いショップやレストラン、オフィスが点在しており、旧山手通りを歩くだけで、山の手の空気感が他とは違うことに気づかされる。
少しだけこの土地の歴史に触れると、かつては水戸徳川邸をはじめ、大名の屋敷が多く存在していた、1960年ころからは、この土地を保有しているオーナーの意向で、バブル期にも左右されず、30年以上の時間をかけて同じ建築家によって街づくりが行われてきた。それがヒルサイドテラスである。東京の他の土地にはない品格は、そういった理由で保たれてきたのかもしれない。蔦屋書店もこの土地のそういったヒストリーに大きなリスペクトがあるという。
さて、物件に話を戻すが、この建物は蔦屋書店よりも鴬谷町寄りにあり、渋谷駅へも歩いて行く事ができる。一階は通りに面しており、人の目にもよくつくため、立地としては申し分ないといえよう。スペースは使い勝手の良い長方形で、目の前が公園であるため、明るく清々しい。
どんな業種にとっても良い物件と言えるだろうが、この土地で仕事をするのに大切なことをあえて申し添えるなら、そのワークスペースやスタイルが、代官山のひとつのモチーフになり得るかどうか、であるような気がする。
いま、ワンランク上を目指している方々に、一度見ていただきたい物件である。
EDITOR’S EYE
偉そうに書いてしまったが、本当にいい場所にあると思う。スペースが難しいサイズではあるので、業態は限られてしまうかもしれないが、今ならここにアドレスがあるというだけで、話題性は十分にあるのではないだろうか。