表参道店舗・オフィス|クリアなスケルトン空間
EDIT
>>LOCATION
青山通りの南青山五丁目交差点から骨董通りに入る。交通量や人も多く1日を通して品のある活気を見せる骨董通りだが、1本脇へ逸れれば人通りは落ち着き、ちらほらと住宅も増え始める長閑な一面を持ち合わせている。今回ご紹介する物件は表参道駅からわずか3分ほど、骨董通りに入ってすぐ、青学方面に折れた先の細道にひっそりと立っていた。
>>SPACE
少々雑多さも感じる路地だからか、どこか上品な雰囲気も感じさせる建物。そんな建物の主役と言わんばかりに存在感を放つ、自称1Fという不思議な2F部分が募集だ。
室内は設備なしの完全スケルトン。ただ、剥き出しの躯体は、落ち着いたグレートーンに色をつけ、空間自体は感じの良い色味の統一感が。それが故に、いわゆるスケルトンらしいざらっとした無骨感はほとんど感じられず、思った以上にすっきりとしていて印象が良い。そして、空間の南側のぐるっと囲うように設けられた窓面からは、十分な光を空間へ取り込み、2.9mの天井高と相まって明るく良い雰囲気すら漂わせる。骨董通りにも駅からも近いのに、静かな環境でこんな空間があるというのは、なかなか希少とすら言えるだろう。
そして、外からの見た目から室内はやや小ぶりかと思いきや、実は空間は奥に広がっていてキャパも十分。おまけに空間の中央には、2つ目の出入り口もあるから、使い勝手の幅も広めと、雰囲気だけではなく機能性についても期待できる、なかなか見どころのある空間だった。
>>HOW TO USE
室内は完全スケルトンということを知っていたため、正直いうと物件に行くまでの期待度はそれほど高くはなかった。しかし、実際に現地へ足を運んでみると、周辺環境とのギャップや予想に反した空間の魅力を知ることになり、撮影を終えたときにはしっかりとこの物件に惚れていた。
この物件は、立地も空間の素地も間違いなく良い。ただ、それに加えて“意外性”というスパイスがとてもいい感じに混じり合い効いたことで、その評価をさらに引き上げた。生憎撮影時の天気はあまり良くなかったが、開口部の方角から考えれば、晴れた日にはこの空間には十分な光が差し込む。そう考えれば、まだまだ秘めたポテンシャルはきっとある。道路面からは少し上った位置にあり、室内が覗き見られることはないので、セオリー通りに攻めるだけでは勿体無い。2Fまで上がってきた人だけがしっかりと惚れて帰ってくれる様な、小粋な使い方に挑戦してみて欲しいと思う物件だった。
EDITOR’S EYE
極め付けは、顔となる階段含めた壁面には装飾が可能ということ。物件の印象づける面積が多いため、本当にいいの?とも思ってしまうが、それもセオリーに囚われすぎないことの現れなのだろう。