五反田オフィス・店舗 | 天井高7M、元映画館跡地
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>>LOCATION
古くから繁華街として知られていた五反田エリア。かつては歓楽街のイメージが強い街だったが、2010年代の中盤頃から続々とベンチャー企業が集まり、一時期は“五反田バレー”とまで言われる事となったこのエリア。今でも多くの有名ベンチャー企業やオシャレな飲食店なども店を構えていて、働きやすい環境が魅力だ。そんな五反田駅から山手通り方向へ進むこと5分ほど。目黒川沿いに立つレトロな大型マンションの地上部に、この驚愕な空間を見つけた。
>>SPACE
薄暗い室内へ踏み入れると、大ホールのような壮大な空間が現れた。その高さは最大7Mほどと、なかなかのスケール感ある空間。それも大小2つ、その規格外な箱があるから驚きだ。
薄々お気づきかもしれないが、ここは元々、劇場(今でいう映画館)として作られた空間。その閉館後は飲食店としてこれまで長らく続いてきたのだが、装飾を剥ぎ取ったスケルトンになった事で、本来の劇場の姿が露わになった。入り口脇にある昭和レトロなチケット小屋や、入り口を中心に両脇に配置された大ホール。ステージのようなものも残されて、2Fにはかつての映写室なのか、ホールを見下ろす小窓が付いた空間など、その姿は色濃く残る。劇場の跡地という、なかなかお目にかかれない空間の珍しさと、色気たっぷりなスケルトン空間がとても刺激的。ワクワク感がとにかく体から溢れ出そうな、魅惑な空間だ。
>>HOW TO USE
元々あった「五反田東映劇場」。その源流は1910年代と、100年以上も前となる。もちろん、この建物はその劇場の途中で建て替えられてもいるし、劇場も閉館しているが、今でもこの姿を見ると、その長き物語は続いているように思える。
多くの人の心に思い出として刻まれてきただろうこの空間。今はまっさらな大きな箱だが、その空間のバックボーンを知る事で、壮大さ以上の歴史の深みなど、より感情が揺さぶられるところがある。どんな使い方があいそうかなど、そんな薄っぺらい事はあえてここで言わないでおく。この空間の可能性は無限で、自由でいいし、形も問わない。ただ、これまでの歴史とこのステージを愛してきた方々に敬意を払い、これからも誰かの心に残り、思い出に残り、そして次の世代へといつまでも引き継がれていく。そんなある意味、壮大な物語の始まり。新しい時代の表現の場として、これまでのストーリーを受け継ぎつつ、新しい物語をこの空間に描いて頂けたら素敵ではないだろうか。
EDITOR’S EYE
五反田東映劇場の詳細はこちらで知ることができる。
「五反田東映劇場」
撮影時は劇場の歴史などを知らずに訪れて、それでもこのスケール感、漂う色気に魅力されっぱなしだった。そして後にこの歴史を知ることで、より高揚感というか、気持ちの高ぶりを感じている。表面上の面白い空間は数多あれど、この空間のような歴史も兼ね備えている空間というのは珍しい。