神宮前オフィス・店舗 | まい泉通り付近、1棟居抜きビル
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>>LOCATION
表参道のApple storeの脇から、まい泉通りへ踏み入る。車同士がすれ違うのがやっとという細い通りだが、飲食店やショップなどが無数に立ち並び、日々多くの人で賑わっている。キャットストリートや表参道までとは言わないが、表参道エリアの隠れた名ストリートの1つとも言っていいだろう。そんな通りをキラー通り方向へ進む事8分ほど。「パンとエスプレッソ」を越えてすぐ右手に路地を入ると、この建物はひっそりと立っていた。
>>SPACE
ガラス面の独特なモザイク柄が印象的な1棟建物。清楚な見た目と、その内部を覗かせない感じがまた興味をそそられ、以前からその内部が気になっていた建物だった。
その室内へ入ると、このモザイク柄を通り抜けた優しい光が織りなす空間が現れる。一見、美容関係の居抜き?とも思える、女性的な柔らかさのある空間だが、以前までモロッコ料理・菓子店として使われていたようで、それも納得の異国な装飾がそのまま残されている。ただ、変に装飾のくどさはなく、むしろ明るく健やかな雰囲気の中に、いいアクセントとして装飾が映えている印象を受けた。B1F-3Fまでの4フロアの作りで、1Fと2Fは表向きな店舗仕様、B1Fと3Fはキッチンスペース。飲食店そのままという状態なので、これをどう使えば、、と少々迷う面はあるものの、そんな事は一旦忘れて、この穏やかで優しい光の空間にひとまず腰をかけ、ゆっくりとこの空間を味わっていただきたいような、雰囲気の良すぎる空間だった。
>>HOW TO USE
前提として大きく手を加える必要はある建物だが、まい泉通りから1本路地を入った立地、そこにある1棟ビル、そして外からは中を覗かせない謎めいた建物など、面白いストーリーを作れそうではないか。もちろん改装は自由度高めで、利用用途も飲食店、スタジオ、美容関係など、その幅は広い。また、B1F-1Fと2F-3Fの組み合わせで、2つの入り口で分けられているため、1棟で2パターンの組み合わせができるというのも面白いんじゃないか。どのような使い方にもよるが、ここではあえて看板を出さない。このモザイク柄をそのまま活かして、外へその全貌を表せないことでの室内への期待値とミステリーを作り出すことで、いざ入った際に空間に浸らせる。そんな変わったアプローチで来訪者を魅了する事もできそうだ。ここであえてどのような使い方がいいか提案はしないでおく。むしろこの路地に立つ、さらに謎めいたこの建物の正解はなんなのか、そこから謎解きを始めてみても面白いのではないだろうか。
EDITOR’S EYE
改装の際、できればこのモザイク柄の装飾などはこのままうまく引き継いでいただきたい。細い路地沿いだが、うまくビルの隙間を抜けて光が強く射し込み、それをうまくこの装飾が和らげているシーンが美しく、次にどのような姿になるにしろ、このDNAはうまく引き継げたら理想だろう。