神宮前オフィス・店舗 | ヴィンテージセミスケルトン空間
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>>LOCATION
表参道と千駄ヶ谷の中間に位置する神宮前2丁目エリア。ちょうど2つのカラーが絶妙に交わるこのエリアは、他の神宮前アドレスにはない独特の雰囲気を持っていて、どちらかと言うと”通”な通りとしてファンが多い。エリア内には人気のビラシリーズをはじめ、ヴィンテージビルがいくつも残っているが、今回の建物もそんな中の一つ。原宿警察署前の交差点から、外苑西通りへ抜けるロードサイド沿いに、この建物はあった。
>>SPACE
1968年に建てられたヴィンテージビル。ヴィラシリーズのような個性的なデザイン性はないものの、良い感じに古びた哀愁感がなんとも言えない魅力を醸し出している。募集はこの2F部分。ロード沿いからもうっすらと中の雰囲気を掴めそうなポジションにこの空間はあった。
室内を一言で言うと、“ザ・王道のリノベ空間”という感じだろう。味のあるコンクリートを露わにした天井と、床はフローリング調仕上げ。それらを白い壁面ですっきりとまとめ上げた、今やスタンダードともいえるセミスケルトン仕様となっている。形もシンプルで、天井高も2.8Mほどと十分あり、4方向を囲うように大きな窓面によって、視線の抜け感や光も文句なし。日中は暖かい光と雰囲気に包まれて、ゆっくり過ごせそうな空間だ。ちなみに占有部ではないものの、建物の屋上にも出れることができる。そこには大きく抜けた空と、少し先には新国立競技場や新宿のビル郡などが望められて、気持ち良さもMax。いい息抜きの場としてうまくこの場も利用していきたい嬉しい特典だ。
>>HOW TO USE
オフィスに限らず、実は店舗としての柔軟性も高い。例えば物販店舗や撮影スタジオ、設備次第では美容室まで相談可能だという幅の広さだ。そうなると様々な利用法が考えられるが、個人的には、どのような使われ方にせよ、あまりこの空間の雰囲気は変えて欲しくない。いい感じに肩の力が抜けていて、建物の雰囲気ともうまくマッチしている。また神宮前2丁目というエリアの温度感にも合っていて、ロード沿いから絶妙に覗かせる窓面の期待度などもまたいい感じだ。まるで狙いすましたかのようにいい世界観を持っている空間なので、あまり余計な味付けは加えず、この雰囲気にうまく寄り添うかたちで、このままそっと家具を並べる程度がちょうど良いんじゃないだろうか。あまり気をはらずに、落ち着いて好きな仕事にめいいっぱい集中できるような、カジュアルで素敵な空間だった。
EDITOR’S EYE
トイレなどは部屋の脇にコンパクトに納められているが、こちらは少し古さを否めないため、もし気になるようであれば交換などは考えた方が良いかもしれない。他のフロアも同じような仕様の空間があり、そこもこのままの雰囲気を最大限使って、カジュアルにレイアウトしている感じがとても素敵だった。