南麻布オフィス・店舗 | 1F-2Fの路面居抜き空間
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>>LOCATION
広尾駅前を走る外苑西通り。道幅が広く、大通りなのにそれほど車も詰まっている感じがないため、この通りはいつもぽっかり空が開いているイメージがある。道に沿って、カフェやレストラン、高級スポーツカーのショールームもいくつか並んでいて、少しハイエンドな大人の通りという感じもあるだろうか。そんな道沿いを西麻布方向へしばらく進むこと数分。間もなくして右手に、このビンテージ風の個性的な建物が見えてきた。
>>SPACE
募集は路面の1Fと2F。深みあるコンクリート壁に、黒いスチールフレームが相性良く合っていて、外見からもなかなか雰囲気がいい。以前まではベーカリーカフェが営業していたという上下の区画で、今回はその空間を居抜きで募集。と、言うとかなり聞こえが良いのだが、現実はもう少しハードな状況だった。
1Fの内装はまだ整っていて、裏には中庭のようなスペースまで。エアコンなど最低限の設備を取り付けるだけでも、十分このまま使えそうだ。しかし、問題は2F の方。かつてはパン工場として使われていたというこのフロアだが、その名残が色濃く残されていた。ハッキリ言って、もはや廃墟のよう。残されたオーブン?や保冷室のようなスペース、床はコンクリートで床上げされていて、排水設備もそのままなので少々匂いがこもっている。正直、このまま貸すの?と、若干困惑してしまうような、なかなか無法地帯のような状態だ。そんな手に負えない自由な状態ではあるものの、なんだろう。外見の雰囲気といい、空間の荒れくれた状態といい、なんか振り切っている感があって、不安と共にすごく魅力も感じてしまった。
>>HOW TO USE
お伝えしている通り、この空間のハードルはかなり高い。同じ業態でない限り、まずは室内の解体から始めなくてはいけないという、余裕ある資金が必要かもしれない。しかし、元々の空間のポテンシャルは高めで、例えば2F には、本来の天井高 4M 近くもある大きな空間が隠れている。そのポテンシャルを活かす事なく、むしろ覆い隠すように大改造してしまったのが今の状態ではあるが、裏を返せば、それだけ手を加える自由度もあるということだ。また、1Fは元々駐車場だったので、例えば正面半分を駐車スペースなんていう、トリッキーな改造の可能性もあるだろう。もちろんどれも事前の相談は必要の上だが、業種も含めてかなり柔軟性は高いため、自由にチャレンジしたいという方には打ってつけの空間なんじゃないだろうか。ハードルは高いからこそ面白い。そんなどこかで聞いたことのある言葉が自然と浮かんでしまうような、辛くも面白くなる期待しか感じない空間。超えるべきハードルはかなり高い分、それを自由な発想でうまく乗り越えた時、この空間がどのような姿に化けるか、とても楽しみで、今はとてもわくわくさせられている。
EDITOR’S EYE
https://www.tokyoworkspace.com/plus/detail/906
以前は壁がないほど難易度が高かったが、今回はまた違った意味で難易度が高め。でも個人的にはこの建物の雰囲気が好きで、うまく扱えればかなりの存在感ある空間になるとすごく期待している。