神宮前オフィス|最上階SOHO空間
EDIT
>>LOCATION
キャットストリートの渋谷寄り。元々は川が流れていたというこの通りは、表参道の方から歩いてくると、華やかさの中にそんな昔を感じられる独特なのどかさを垣間見れる面白さがある。今や老若男女、多国籍な人々で賑わうこのエリアを代表する人気ストリート。丁度、通りの先のぽっかりと開けた空にセルリアンタワーが顔を覗かせるあたりに、穏やかな雰囲気のこの建物を見つけた。
>>SPACE
建物はお世辞でも綺麗とは言い切れないが、経年の老いと個性が入り混じった悪くない雰囲気。エントランス周辺にある入居者たちのまとまりのない看板や、エレベーター脇の託児所など、ほっこりカオスな感じが少し気取ったこのエリアを忘れさせる。そんな外観、エントランスからの共用部を経由して、多少の不安を抱きつつ8F最上階にあるこの空間に1歩入ると、悪くないギャップが一気にテンションを上げてくれた。
イマイチ高くない天井、使い古されてムラのある傷みがある床、ツヤありの塗料がヤニで変色した壁と天井などなど、空間の状態は決して褒められるものではないが、ちょっと多すぎ?と思うほどの四方に点在する開口部から差し込む光と抜け感に、無意識に “当たりだ!”と思わせられた。
>>HOW TO USE
こうなるとワクワクは止まらない。勝手にイメージリノベーションが始まり、続いてレイアウトの想像、挙げ句の果てには妄想に近いこの空間での働き方まで走り出し、どっぷりとこの空間にハマっていく。“窓先の抜け感を最大限気持ちよく感じるために、どうするか?”、“居心地よく寛げる空間にするためにはどうしたらいいか?”と、この物件は、何ができるか、どう働けるかのイメージが先行する良さがあり、物件の細かいチェックをしなくても十分な空間だった。
元々が住宅だったこともあり、埃のたまった浴槽や、ちょっと引いてしまうような水回り。ここまでの傷みがあるのであれば、中途半端に仕上がる原状回復は遠慮して、このまま借りた方がいいだろう。ダメな部分は1つ1つ手を加えていき、愛着と居心地の良さを欲張りにゲットしてみてはいかがだろうか。
EDITOR’S EYE
オマケのようについているベランダから見下ろせば、前の建物は、ツタに征服されたかのような緑の塊。その先には、これからこの街の人気スポットになるだろうTRUNK(TOTEL)の建設現場。最上階と目線が高いこともあり、神宮前の街と空と半分の視界。その景色を見た瞬間、この物件を好きにならずにはいられなかった。