神宮前オフィス|原状回復不要のショールーム居抜き空間
EDIT
>>LOCATION
外苑前駅からキラー通りを千駄ヶ谷方面へ進む途中にある神宮前三丁目交差点。ここは青山や外苑前、原宿、千駄ヶ谷を結ぶ中間地点ということもあり、どの駅からも少々距離はある。しかし、その分様々な路線を利用できる利便性を備え、オフィスやショップ、カフェなど各エリアの個性が上手に混じり合う感度高めのエリアとも言える。
今回ご紹介する物件はそんな神宮前三丁目交差点の角に立つ、丸みを帯びた爽やかな印象の建物だ。
>>SPACE
募集となるのは最上階5F。2011年1月に竣工した際はオーナーの住居だった空間を、前入居者がショールーム仕様へと大きくイメチェンし、今回はその退去したての状態を引き継ぐ形となる。
そんな室内はショールームとして作られていたこともありシンプルでありながらも良い雰囲気を纏う。まずエレベーターから降りると出迎えてくれるのは物件のメイン空間。キラー通り側一面に設けられた窓面からは、視線も十分に抜け、優しい光も入りすっきりと気持ちが良い。そして最大3mを確保した天井高とうまく相まっていることもあり、一瞬で空間の良さを感じることができた。さらには、そんな印象的なメイン空間とは別に、窓全開可能で気持ちの良い風が流れるインナーテラスや、会議室やテレカンブース、倉庫としても優秀な3つの個室たちもあり、空間の印象のみならず、機能性の良さも兼ね備えている。そんな様々な要素が盛り込まれたこの空間は、多くを語らずとも、出会ってしまえば思わず惚れてしまう、そんな魅力をもっていた。
>>HOW TO USE
後継者と継承者。この似て非なる言葉の差はかなり大きいと感じる。後継者は引き継がれるものの精神やストーリーを引き継ぐのに対し、単にものを引き継ぐのが継承者となるからだ。一般的には企業や伝統などに使われるこの表現も、見方を変えていけば、物件にも同じことを言えるのではないだろうか。
大半の物件は、どんなにカッコよくお洒落に作り込んでも、退去する際は原状回復で元に戻り、次の入居者へバトンが渡されてしまう。しかしそうやって、ただただ物件を次へと継承していくより、入居者が変わるたびに空間の良さを活かしながら上書きを繰り返し、空間のストーリーを積み上げていく。そんな「後継者」となる人を待ち望んでいるのだ。この空間は若いながらも、内装の大幅変更にも寛大で、しかも原状回復も不要と、まさにストーリーを引き継ぎやすい後継ループを楽しむことができる物件。ロケーション、眺望、恵まれた天高など、空間の素質は問題ない。受け継いだものをどうアレンジしていくか、今を満たすだけではなく、過去も未来すらも楽しめる空間と思えば、なかなか面白くないだろうか。
EDITOR’S EYE
この空間の大きな要素として、室内の段差にも目を向けて欲しい。竣工当初は空間中央にキッチンがあり、その配管の勾配をとるために生まれた段差とのことだ。費用をかければ段差の撤去も相談が可能となるが、これはこれで特徴の1つとなるので、まずは現状のままの使い方を考えてみても良いかのかもしれない。