鶯谷町オフィス|1F路面のアパレル店舗跡
EDIT
>>LOCATION
渋谷区鶯谷町。隣接する桜丘地区で進行中の再開発エリアを抜けた先のこの辺りは、住宅と線路沿いのこじんまりとした店舗が入り混じり、良い意味で下町色を感じる独特の雰囲気がある。意外なことに事務所や専門学校なども多く、渋谷駅周辺エリアの中では穴場的な場所と言えるのかもしれない。JRの線路をすぐ目の前にした今回の建物は、長きに渡って入居していた店舗の閉店と共に、顔となるパートナーを探していた。
>>SPACE
元々は、往年のアメカジブームを支えたと言っても過言ではない、インポートのアパレル店舗が入居していた1Fの路面区画。駐車場で線路側の顔が活かしきれてないのが残念だが、道路からの直接動線のある1Fで、角地に位置することもありその視認性は悪くない。そのため、この場所にピンとくる方も少なくないのでは?
室内は42坪ほどの面積を確保しつつも、現状は中央で2つに区切られている。日除けやディスプレイの関係なのか、エントランス部分以外の窓は全て潰されており若干閉塞的な印象はあるが、店舗跡らしい色味のフローリングや壁面のウッドパネルなど、素材感がしっかり感じられる雰囲気重視の仕上がりだ。少しカントリーライク過ぎる気もするので、窓を塞いでしまっている壁の撤去と同時に若干のテコ入れをおすすめしたい。今ある雰囲気をうまく活かしつつ外部からの見え方をアレンジできれば、ここからの変貌の伸び代はかなり高い気がした。
>>HOW TO USE
長くこのエリアのアイコン的存在でもあった店舗が抜け、どことなく気の抜けた印象を感じてしまう現状。ただ、少し息をついたのも束の間で、渋谷の再開発エリアからも近く、搬出もしやすい1F路面区画と来れば、再び輝くまでの時間はそこまで長くないだろう。
現状は閉鎖感すら感じるため今ひとつピンと来ないかもしれないが、間仕切りを壊しワンルームとして全ての窓を露わにしてみるだけでもその印象はガラッと変わり、利用方法の幅もグッと広がることだろう。ご近所の少々のんびりした雰囲気を活かすとすれば、落ち着いた接客をメインとするショップやショールームなども良さそうだ。
再開発の波が押し寄せつつある立地にありながら、今ひとつ垢抜けきれていない現状は否めない。ただ、見違える様な姿へ生まれ変わるだけの可能性は十分。近くまで来ている波を巧みに捉え、センス良くアイデアを詰め込んでくれる次の入居者に期待を寄せたい。
EDITOR’S EYE
過去入居していた1979年創業の「RED WOOD」は、渋谷を中心としたアメカジブームを支える名店だったらしい。惜しまれつつの移転とのことだが、移転先も実は直ぐ近くとのことなので、一度訪れてみてはいかがだろうか。
建物近隣には落ち着きがありながらも個性的なカフェや飲食店が散見され、個人的にものんびり歩きたくなるエリアだ。