駒場オフィス |ルーフバルコニー付き物件
EDIT
>>LOCATION
複数の大学キャンパスや民藝館などが存在し、文教のまちとして認知されている駒場。そんな多くの教育機関の間を埋めるように広がるのは、どこか庶民的な雰囲気の住宅街だ。特別豪勢な家が並ぶ訳でもなく、そばを走る電車の音や、走り回る子供の声などが程良く聞こえてきて、個人的には肌馴染みの良い環境にも思える。今回の物件はそんな駒場のどこかホッとする住宅街に佇んでいた。
>>SPACE
募集となるのは、B1Fを除く1F~3F。住居用として建てられた物件だが、室内の様子は、家っぽさとオフィスっぽさを少しずつ持っているような、不思議な空間。前入居者は撮影スタジオとして利用していたらしく、そう思えば水回りのちょっと珍しいレイアウトなど、ところどころで感じた違和感にも納得させられた。
打ち合わせスペースとして考えても都合の良い1Fの個室から始まり、メインスペースとなるリビングは、南向きに大きく開口部が取られているので日中は長い間明るく心地良い。特別デザイン性が高いわけでは無いのだが、白く統一された空間はどこか凛と背筋の伸びる雰囲気すらあるので、ワークスペースとしても成立しそうな印象だ。加えてこの物件の大きな魅力と言えるのが、プライベート性の高い最上階個室と、見晴らしの良い屋上が付いているということ。屋上に上がれば、西側には住宅街が広がっていき、東側には渋谷の高層ビルの数々と対面できるので、サイズこそ控えめながらもこの物件に惚れさせるインパクトを備えていた。
>>HOW TO USE
もしかしたら、戸建ての元撮影スタジオという肩書きと物件のポテンシャルに、検討段階から、もっと格好良くしたいと、肩に力が入ってしまうかもしれない。だが、そんなに構えなくても、この物件はそのままでも案外悪くない。むしろ徹底的に作り込むよりも、肩の力を抜いて、“ちょっとアレンジしてみる”というノリの方が、この街並みにも馴染み、落ち着いて過ごせる居心地良いオフィスになるような気がした。
全体的には、使い勝手のイメージしやすい間取りに、存在感あるキッチンが鎮座していたり、水回りがまとまったプライベートなフロアがあったり、渋谷を見渡せる屋上を備えていたりと、申し分ない面白さ。程よくカッコつけすぎておらず、カジュアルな状況とこの環境は、このままでも十分に良いパフォーマンスを発揮する可能性を感じることができる物件だった。
EDITOR’S EYE
一部クセのある壁紙が貼られているのが、正直好みが分かれてしまうところ。しかし以前入居していた撮影スタジオは、その壁紙も上手く取り入れて成立させていた。なので、奇抜なデザインではあるが、一旦受け入れてどう利用するかを検討してみても良いかもしれない。