代官山オフィス・店舗|鎗ヶ崎交差点路面区画
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>>LOCATION
代官山駅から歩いて3分程。特色の濃い旧山手通り、八幡通り、駒沢通りが合流する鎗ヶ崎交差点は、車の交通量もさることながら、代官山、中目黒や恵比寿方面とそれぞれの感度を持った街の個性の流れが交わる場所でもあり、なかなか稀有なスポット。道路の広さと、交通量で見落としてしまいがちだが、ロードサイドには気の利いたショップや、飲食店も点在する面白い場所でもある。そんな交差点の目の前、代官山の方から渡った横断歩道の先に黒くてシュッとした建物が立っていた。
>>SPACE
今回の募集は1F-2Fの路面区画。1Fの正面扉から入るや否や、目の中に飛び込んでくるインダストリアルな階段の存在感に圧倒される。ほぼ1Fのスペースは階段で埋め尽くされているといっても過言ではない状況だが、実は、階段の下や中2階部分などに有効スペースが生まれていて、インパクトだけではなく実用性にも優れていた。そして、気になるのは、階段のその先。中2階部分からでもその先がどうなっているのか読み取れないため、過剰なほどにワクワク感を高めてくれた。
そんな期待が膨らんだ状態で2Fへ進めば、暗室のような空間とガラス張りの個室が現れる。階段を上がってすぐに広がる空間は、窓がなく光がほとんど入ってこないためか、ちょっと怪しげな雰囲気があったが、窓際にあるもう一つの個室は、駒沢通りを見下ろせるちょっとした特等席のようなポジションを確保していた。
インパクトのある階段、そして、その影響によって勝手に隠れ家的な存在になっている2F。普通のメゾネット区画にはない面白さが備わっている物件だった。
>>HOW TO USE
元々、1Fと2Fは別々の区画だったが、10年くらい昔の入居者が上下階を繋げてからは、この階段のキャラクターを良しとしてデフォルトの姿となっているらしい。確かにこの階段はこの物件の最大の存在。だとすると、ここは敢えて2Fを謎めいた空間のまま演出してみるのも面白いかと思う。
例えば、1Fを店舗やショールームにする。そして、訪れた人からうっすらと覗く2Fがどうなっているかと聞かれた時に、実際はオフィスとして使っていたとしても、“秘密です”と答えておこう。あまり広い空間とは言えないが、期待を膨らませるには十分な演出を階段がしてくれるだろう。ヴェールを脱ぐその日までひたすら隠し続けることで、特別感が生まれて新たな展開へと繋がっていくかも?
もちろん、期待値を煽るからには、それなりに魅せれるものにしておいて、自分たちもテンションが上がるような使い方を徹底していただきたい。
EDITOR’S EYE
見えるか見えないかくらいが人間1番気になるもので、階段がその要素をいい感じに作り上げていた。この感覚は実際に現地で体験して頂きたいと思う。また、2Fにはエレベーターからの直接導線もあるので、1Fと切り離してオフィスと店舗という使い方もよりイメージできるかもしれない。