代官山オフィス |緑に囲まれた1棟物件
EDIT
>>LOCATION
代官山駅を出て辺りを見渡すと、いつもかわらず目を惹くお店が沢山ありながら、駅周辺とは思えないほどの落ち着き払った様子。個人的には、“しゃしゃり出ない”事の美学を心得ている街だと感じている。そんなエリアで見つけた今回の物件。ここには、代官山の小さな森があった。この一棟の建物の周辺には、ふさふさと緑が繁っていて、緑の奥には、真っ白な壁の「おうち」がある。建物と言うよりはおうちと言いたくなるような可愛らしさがあった。
>>SPACE
数段の木の階段を上り、両開きのドアを開ける。そこには、期待を裏切らない、むしろ期待以上の空間が待っていた。荒々しい素材感が散りばめられた白い空間は、使用感は残りつつも光の差し込み、窓先の緑、吹き抜けの天井などによって、作り出す世界観はかなり良い。そして、静けさと穏やかさがそっと広がる空間に、アクセントとして加わっているのが、華奢な黒いサッシや階段の手すりなど。ふんわりし過ぎず、少し大人っぽい表情を見せるのに一役買っていた。
この建物の本質的な魅力は、駅からの距離とか、天井の高さとかではない。きっと優しくて自然的であるということ。窓という窓からこちらを覗いている木々や、木漏れ日となって吹き抜けから降り注ぐ光、その光を優しく反射して明るく広げているこの家自体が自然と一体となっているような印象を受けた。
>> HOW TO USE
原状回復もされていない未完成の状態だが、経年や空間の持つ色っぽさが合わさって、ある種もう完成されてしまっている空間。経年による躯体の傷や跡は、できるだけ残して利用すると自然的な空間としての雰囲気を守ることができそうだ。少しだけ手入れをして、あとはそのまま。空間の仕切りは曖昧なため、建物まるごとの統一感を持たせてレイアウトを楽しんでみて欲しい。個人的には、垣間見える大人っぽさをうまく活用して、アイアン調の家具などでクールな雰囲気に仕上げると良いと思う。もちろんナチュラルにまとめても、ラブリーな感じにまとめても、この空間の圧倒的な包容力が形にしてくれるだろう。
窓の向こうにはゆらゆらと揺れる緑が切り取られ、穏やかで美しい。それを眺めているだけでぼんやりと意識が遠のいていくような感覚すら覚える。そんなうっとりとする空間で、働いてみたくはないだろうか?
EDITOR’S EYE
ドラマのロケ地としても利用されたこの建物。いざ対面してみると、起用されるのも納得の存在感だった。これだけ自然を身近に感じられる空間なのだから、時間帯や季節によって、その日のお気に入りのスペースができるだろう。ぼーっと窓の外を眺める時間も、仕事のうちだ。