赤坂オフィス | ライトコート付き居抜き空間
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LOCATION
最寄りの青山一丁目駅からは7分ほど。外苑東通り沿いにある山王病院の後方部に広がる赤坂アドレスにこの建物を見つけた。エリア内にはレジデンスやホテル、大使館までもが並び、近くの外苑東通りや青山通りなどとはガラッと雰囲気が変わって、とても穏やかな環境が広がっている。この建物もそんなエリアの一画にあり、正面には目印となるカンボジア大使館。若干心臓破り感も否めない強めの坂道の途中に、傾斜地に半分埋るようなかたちでこの建物は立っていた。
SPACE
ご紹介はこの建物の地下2Fに潜む空間。地上からは少し深く潜るが、いわゆる地下空間のイメージとは少し異なり、その空間は地下特有の閉鎖感などはあまり与えない。その最大の要因といえるのは、外にあるライトコートのおかげだろう。時間によって、しっかり下まで自然光が落ちるよう計算されたこのスペース。それが室内にも光を引き込み、雰囲気を和らげて、窓を開ければ風も通る。もちろん、地上階ほどの明るい空間ではないものの、変に陰湿なアングラ的な雰囲気もなく、適度な明るさを保った空間という印象だ。元々は居住スペースとして作られていたようで、現在も空間に似つかないバスルームやキッチンなどがしれっと残されているが、基本的には大小2つのがメインルームで構成されるオフィス仕様の空間。天井も3Mほどと高く、忘れがちだが地中にこもっているので周辺の音にもまったく邪魔はされない。周辺環境と同様にとても穏やかで、自分だけの静かな空間を手に入れたような不思議な安心感すら感じる空間だ。
HOW TO USE
空間の質は高いが内装はノーマル仕様なので、予算の許す範囲で床材を変えたり、天井を落としたりなどで作り込むとより良い。きっと少し手を加えるだけでも空間のレベルはぐっとあがるはずだ。日中の出入りも多く、せかせか働くよりかは、ゆっくり空間に腰を据えて、ブレインを回転させるようなクリエイティブ作業に合いそうな空間だろうか。外からの情報はライトコートの変化のみ。朝から晩まで大きく空間自体は変化しない中で、雨が降ったり、光が差し込んだり、色づいた桜の葉が落ちてきたり。そんな普段は気にせず生活している小さな変化も、この空間にいると大きな出来事に感じられるだろう。それと同様に、この空間で日々の小さなアイディアをより深く深く考えることで、いつかそれが、大きな確信的アイディアへと繋げられることができるんじゃないだろうか。
EDITOR’S EYE
元々高級なレジデンス仕様の建物だけあってか、建物中央にも大きく贅沢な吹き抜けが開けられていたり、部屋の玄関を入ると1部屋分ほどはあるだろう、だいぶ広々としたエントランス空間が出迎えてくれたりと、かなりゆったりとした作りの物件。そんな空間なので、ギュウギュウに席を詰めるのではなく、程よい人数でゆったりと静かな時間を過ごしてほしい。