代官山オフィス | 新築スケルトン空間
EDIT
>>LOCATION
言わずと知れた代官山。ジャンル問わずおしゃれなショップやカフェなどが点在し、ファッショナブルで洗礼された大人の集まる街という雰囲気を感じるこのエリア。近年では働く場としての需要が高まり、物件が出てもすぐ決まってしまうような激戦区でもある。今回のこの建物は、代官山駅から恵比寿方面へ、セブンイレブンや小洒落たアパレルショップなどが並ぶ、緩やかな下り坂を進むこと間もなく。 そこに現れるガラスのデザイナーズビル・・の、横からひょっこりと顔を出した、なんともキュートな登場の仕方をした。
>>SPACE
2018年10月に建てられたこの一風変わったデザインの建物。通りから建物一棟分奥まった場所にひっそり立っているため、見過ごされてしまわないように建物なりに考えたのだろう、一生懸命入口やファザードで自分を主張している姿がまた愛らしい。そんな建物の正面入り口である、緑のアプローチを進んだ先に今回紹介する空間がある。
募集は3Fで、室内は35坪ほどのシンプルなスペース。1から手を加えることを前提としたスケルトン空間なので、あえて室内の説明はするまでもないだろう。4方向を建物に囲まれているため、室内は晴れた日中でもぼんやり光が入る程度という感じだが、例えばモニターなどとにらめっこするような会社にとっては都合のいい光量の空間と言えるかもしれない。また、その分壁面も多いため、レイアウトなども比較的しやすそうだ。共有部も建物の雰囲気を壊さず整っているので、安心してクライアントを招きやすい物件と言えるだろう。
>>HOW TO USE
スケルトンなので、初期投資はある程度の覚悟は必要だ。その設備投資を考えると、無理してオフィス単体で使うよりかは、サービス店舗をメインに兼用した計画が現実的と言えるだろうか。勝手なイメージだが、代官山のショップはあまり主張しすぎず、さりげない品格とこだわりを持っているように感じる。この建物もまた、前に出過ぎず隠れすぎずの絶妙な立ち位置がどこかこのエリアらしさに感じ、たとえ少し引っ込んだ場所にいようとも、その存在感を隠しきれていない面もまた面白い。そんなオーラを逆手にとって、例えば会員制や隠れ家的な要素を強くブランディングに取り込むことで、うまく感度の高い方々をこの奥まった空間に引き込むことができ、いつしか隠れた話題の場所として、風の噂として耳にするようなことがあったら面白いだろう。もちろん財力にものを言わせて、一から理想のオフィスを作り込みたいというこだわり強いツワモノも同時にお待ちしたい。
EDITOR’S EYE
区画は分割も想定して2つ入り口扉が付いているので、レイアウトにうまく活かすこともできそうだ。メタリックパネルを貼った個性的な外観が、他では見ない唯一無二のこの建物らしさで純粋に面白いデザインだと思った。ありきたりのガラスビルに飽き飽きな方、変わった建物があります。