代々木オフィス | 1棟リノベーション済みデザインビル
EDIT
>>LOCATION
最寄りは初台駅。新宿駅へのアクセスも容易なポジションで、有名な東京オペラシティーや大型ビルも立ち並び、車通りの多い甲州街道や、頭上を無数に枝分かれしていく首都高のシーンからこのエリアらしさを感じる。賑やかな大通り沿いとは対照的に、一本奥へ入るとすぐに穏やかな住宅街へと切り替わるのもこの辺りの特徴の一つ。この建物もまた、初台駅から参宮橋駅方面へ進んだ住宅街の一角。周辺には大型のレジデンスや戸建て住戸が並ぶ、オフィスを構える場所としては少々似つかわしくない穏やかな環境の中に、この建物は立っていた。
>>SPACE
構想から2年の歳月を経て、2021年9月に1棟リニューアルされたこの建物。元の姿からは、本当に同じ建物なのかと疑いたくなるほど様変わりし、レトロ感も残しつつも、モダンでいい雰囲気に仕上げられていた。
このビルを丸々1棟、またはフロア分割でも借りられるという今回の募集。簡単にその内部を説明させていただくと、まずは顔と言える最上階の8F。そこに踏み入れると、6M近い大きな吹き抜けと、3方向の抜け感、眩しすぎるほどの日当たりの良さに、思わず拍手してしまいそうになった。外にはぐるっと囲うような広いバルコニー、そこからは365°遠くの風景まで見渡せてしまう。とにかく抜け感がよく、気持ち良い区画。因みにこの8Fは、かつてはプールだったという。そう言われると、確かに。と頷けてしまうような雰囲気が今でも残っており、バブル期の建物らしい面白いストーリーもしっかり備えていた。
基準階となる2F〜7F。室内は各フロア共通のセミスケルトン仕様で、天井高も2.65M〜3.2Mほどと高い。4方向を囲う窓からはよく陽も入って、とにかく明るく健やかな空間。各フロアには、キッチンカウンターやフロアによっては中・大・特大のバルコニーも付いていて、使い方のイメージがしやすい空間だった。
最後にB1Fと1F。基本的な仕様は他のフロアと変わらないが、いずれも3.7Mほどと背が高い空間で、以前はこの天井高と壁面を活かして、有名な会社のダンススタジオなどにも利用されていたようだ。
全体的に元々の素地を最大限活かしつつ、今どきなセミスケルトン仕様。設備も一新してピカピカで、耐震補強もバッチリという、とにかく“やり切った”感すらあるリノベビルだった。
>>HOW TO USE
建物、空間としては完成させつつも、各室内は入居者に自由に手を加えてもらうように、あえてスケルトン仕様で余白を残しているのだという。このまま家具置くだけでも十分面白そうな気もするが、フロア毎に異なるテナント、テイストにアレンジされ、キャラのぶつかり合いが起こるのも面白味がありそうだ。また、オフィスだけではなく、各フロアの天井高や個性を活かして、スタジオやショールームなんていうパターンもいいだろう。さすがにプールはダメだろうが、最上階8Fはオフィスやスタジオ利用だけでなく、例えば複数フロア利用の企業のリラクゼーションスペースやパーティールームとして、少し派手目に彩って使ってみても面白いかもしれない。
そんな建物の唯一弱みを上げるなら、あまり利便性は高くないこの立地だろう。しかし、その分周辺の渋谷や新宿に比べるとリーズナブルなのは強みとも言えるのは確か。むしろ立地がどうこう言わせないほど、もっともっと、圧倒させるぐらいに空間を作り込んで、働く環境を楽しく、毎日通いたくてしょうがなくなるようなオフィスを目指してみてはどうだろう。元々備わっているポテンシャルが高い分、さらに空間の完成度も高められれば、もはやこのビルは無双状態に突入だ。1フロアでももちろんウェルカムだが、せっかくならこの機会に、複数フロアセット、または1棟自社ビルで徹底的にやってやるぞという強者もぜひ挑戦してみてほしい!
EDITOR’S EYE
ここではほとんどお伝えできないほど、話のネタが多い建物なので、実際に現地でゆっくり説明させてもらいたい。最近のリノベーションビルの中でも結構やり切った感のある物件で、とにかくテンションが上がった反面、抑えるショットが多く、撮影が大変だったのも印象的。ちなみに敷地内には最大5台分の駐車スペースがあり、フロア分割の場合は早い者勝ち感はあるため、必要な場合はすぐ手を挙げられる事をおすすめする。