恵比寿オフィス | 1棟居抜き空間
EDIT
>>LOCATION
恵比寿駅を降り、広尾方面へと続く駒沢通りを道なりに進む。明治通りと交わる渋谷橋も越えて、緩やかな上り坂をしばらく進むと、間もなく右手に現れる恵比寿プライムスクエア。オフィス・レジデンス・レストランなどが入る複合型のビルで、恵比寿のランドマーク的な建物の一つだ。そんな目印となる建物の向かいに、この白い建物がる。
>>SPACE
以前は予約も取りづらいほどの人気のレストランが営業していたこの建物。居心地も良く人気のお店だったことや、なにかと頻繁に通る道沿いのため、ご存知の方も多いのではないか。現在はすでに退去済みだが、内装や家具などは今後コツコツと撤去していくようで、「ただいま準備中。」という札がよく似合いそうな状況だ。その内部は4層に分かれており、白く塗装されたセミスケルトンの空間に、色合いの落ち着いた無垢材のフローリングや建具、照明などがバランス良く配置されたリノベ空間。その上下をつないでいる骨董品のようなリフトも、この空間の世界観をより強めているように感じた。4Fのさらに上。本来は屋上であったであろう場所は、屋根裏のような広い倉庫になっている。この収納力があれば、普段使わないものは全てここにしまって、常に空間をスッキリと見せることができそうだ。現況はまだ荷物で溢れているものの、これが全て無くなったシーンをイメージすると、誰にも見つからないうちに物件を抑えてしまいたい衝動にかられてしまう。
>>HOW TO USE
直近では人気のレストラン、その前はアンティーク家具屋など、これまでの使われ方も含めていい歳の取り方をしてきたこの建物。そんな建物も来年で満50歳という節目。ちょうどそのタイミングで新しいスタートを切るこの白い建物が、これをベースに今後どの様なカラーを纏って転進していくかが楽しみだ。どちらにせよ、これまでの入居者に敬意を払い、今後なにかしらの形でそのストーリーを引き継ぎつつも、これまでよりもさらに人々に知られる存在となるような、そんな使われ方になるよう期待したい。
EDITOR’S EYE
現在は荷物が多く残されていて本来の姿が見えないが、それでも全体的にワクワクさせてくれる空間だった。一見内装に手がかかりそうに思えるが、必要な設備や空間もニュートラルに整えられているので、荷物をどかせば、ほぼほぼこのまま使えるだろう。50歳のいい感じに傷んだ躯体と、レトロなリフトや建具などがよりここにしかない世界観を作り出している。個人的には今年最後の最大のヒット物件だ。