西麻布オフィス・店舗 | 路地裏に潜む1棟居抜きビル
EDIT
>>LOCATION
六本木六丁目の交差点と、西麻布の交差点の丁度中間辺り。交通量の多い六本木通りから、その騒々しさから離れるように一本路地を入って行った、いわゆる路地裏にこの建物はある。近隣はどちらかというと西麻布色が強いだろうか。住宅街の中に小洒落たレストランや路地に隠れる高級そうな飲食店も点在する、大人の社交場のようなエリアだ。
>>SPACE
こじんまりした雰囲気の1棟建物。2015年にリニューアルされ、その際はどのフロアも木床の温かみある暖色系の空間が印象的だった。
HOP STEP AND... その後、以前の入居者(ダンススタジオ)が大幅に衣装チェンジをし、現在はクールな印象を受ける空間へと切り替わった。
内部は3フロア構成。路地沿いの1Fはライトグレーのうっすらとした表情の空間。時折路地を歩く人が室内のミラーに写し出され、空間に可笑しなシーンが映り込む。対照的に、2Fは白で統一された明るい仕様。こちらもミラー張りで、その色味もあってか、空間の広がりがなかなか◎。その上の3Fはこれまでとはテイストが異なり、かつての温かみある雰囲気が残されている。天井も高く、ハイサイドライトから光も射し込んでいて、明るく妙な落ち着きのある空間だ。路地裏で静かな環境も相まって、どの空間も物静かな感じもあり、クールで穏やかな建物の雰囲気がなにか癖になりそうだった。
>>WORKSTYLE
1Fと2F-3Fで入り口が異なるため、明確な使い分けができるのもこの建物の利点だろう。例えば1Fはパブリックに路地裏へ開く感じ。このままスタジオとして見せつけるのもいいし、路地沿いの隠れ家ギャラリーというのも、結構今の雰囲気にも合うと思う。1Fで表向きな顔を作りつつ、2Fの中間層には司令塔さながらにオフィスを構え、さらにステップアップした3Fには、よりプライバシー性を高めたラウンジスペースとして解放してみる感じか。もちろん空間の使い分けはお任せするが、路地裏の1棟。そしてそこでの日々が期待感や楽しみで溢れ出してしまいそうな、そんなプランを試行錯誤しながら探ってみるのも、またこの建物の一つの楽しさかもしれない。上階に上がるたびに気持ちや想像がジャンプアップしていき、心が踊るような、そんな使い方が発見できたら素敵だろう。
EDITOR’S EYE
建物が面するのは、結構な路地裏感ある場所。雑居感も感じる道沿いだが、そのアングラ的な雰囲気が結構好きだ。その裏側感をうまくコンセプトに取り込むことで良い感じに世界観も作れそうだし、裏だと思っていたものが、むしろ表とも言われるような、素敵な存在になる事も夢ではない気がした。