日本橋オフィス | 築浅デザイナーズビル

>>LOCATION
日本橋馬喰町。一昔前までは、問屋の町というイメージが色濃かったこのエリアだが、最近はそんなイメージも少し変わりつつある。古い街並みの中に、人気のホテル、ファーストキャビンがオープンしたり、かつての問屋倉庫などが今風の空間にリノベーションされるケースも増え、街ゆく人も様々で面白い。そんな新しいサイクルが巻き起こっているこのエリアの一角。最寄りの馬喰町駅から、ほんのわずかな大通り沿いに、この建物は誕生した。

>>SPACE
2019年に完成したこの施設。人や社会との輪が生まれる場をテーマに、人気の建築事務所SUPPOSE DESIGNがデザインを手掛けた。サービスオフィスタイプで、1F道路面には入居者が自由に利用可能なカフェラウンジと、屋上にはキッチン付きのルーフトップスペース。その他にも1FとRFには時間貸しのミーティングスペース、共有トイレなども設置されている。共有部を充実させる事で、人と人とのコミュニケーションが自然に生まれることが狙いのようだ。室内はというと、1フロア60坪弱で、基本となる3パターンの空間仕様で構成される。このエリアとしては、まだ珍しいスケルトン天井仕様で、一部インナーバルコニーと呼ばれる無垢板仕上げのスペースを交えたツートーンの空間。窓からは気持ちいい光が射しこみ、大通りに面しているわりに外の音もそれほど気にならない。攻めたデザインのわりに、実際にはとても穏やかな印象の空間だった。

>>WORKSTYLE
室内はこのままでも十分整っているので、例えばインナーバルコニーを社内のラウンジ的な場としてうまく活用することで、そこでの時間をより充実したものとさせることが出来そうだ。専有部のプライベート性はきっちり保ちつつ、共有部も積極的に働く時間に取り入れていただきたい。ミーティングや気分をスイッチさせたい時はもちろんながら、そこでは入居者とも自然に顔見知りができ、ラウンジやルーフトップで飲みながらコミュニケーションを深められ、そこで築かれた関係性によって新しい繋がりや仕事も生まれるかもしれない。そんなうまいサイクルに入れれば、まさにこの建物が目指す場になっていくんじゃないだろうか。まだまだまだ未知数な面はあるものの、ここで働く人々、街へ対してもなにかしらの触発を与えるような存在にこの建物がなることを大いに期待している。

まずは実際のこの建物を実際にみていただきたい。きっとこの建物に惚れこむはずだ。ルーフトップの気持ちよさは格別で、このエリアらしい商店街の少し先に、スカイツリーもくっきり望める素敵なロケーションだ。