汐留オフィス | 築浅セットアップ空間
EDIT
>>LOCATION
新橋・汐留エリアにあるイタリア街。古くからあるイタリア人の街、、というわけでもなく、1990年代の再開発によって突如として出現したという、ちょっと面白い経緯を持つこのエリア。その街並みは本場さながらで、大きな広場を中心に、クラシックデザインの洋風な建物が立ち並び、道路もすべて石畳。一歩踏み入れると、まるで旅行にでも来ているような不思議な感覚にさせられる。ロケ地やインスタスポットとしても数多く利用されるこのエリアに、今回ご紹介するこの建物は立っていた。
>>SPACE
まるで、古くからこの地にあるような面構えをしている建物だが、実は2019年に建てられた比較的新しいビル。現代のオフィスビルとは真逆をいくような、重厚で古典的な洋風デザインではあるものの、それが街並みにうまく馴染んでいるのと、今っぽいテイストの色合いや雰囲気で整えられているため、なかなか色気のある建物に仕上がっていた。
募集はこの建物の2F。内装は建物共通でセミスケルトン仕様をデフォルトとしているが、それに加えて、2Fは家具などが予め配置されているセットアップオフィスで募集している。空間は長細い形状で、壁を作らずエリアによって緩く使い分けされたようなワンルーム仕様。入口を入るとすぐ来客用にセットされた打ち合わせエリア、続いて執務スペースへと進んでいき、その先には、ラウンジ風のインナーバルコニーゾーンが現れていく。天井も3Mほどと高く、窓面も連続して多いため、室内は割と開放的で過ごしやすさも高い印象だった。
居室の他に、屋上には共有のルーフトップが付いていたり、貸し会議室も館内に2カ所あったりと、建物のサービスも充実。また、1Fの路面には雰囲気が抜群にいいコーヒースタンドも店を構えていて、その脇を抜けての建物へのエントランスへのアプローチもまた魅力的だった。
>>WORKSTYLE
数年前の世の出来事により、働くことへの多様性が生まれ、一時的にオフィスに対する考え方が見直されていた。しかし、収束とともに、改めて集まって働く事の重要性が問われはじめてきたのがここ数年だろう。そんな中で、ある意味このセットアップ空間は、手軽でいいリハビリの場として使えるんじゃないだろうか。実は建物のコンセプトも、“集まって働く場”。以前までは普通すぎる言葉でピンと来なかったが、なぜだろう、今聞くと、とても新鮮に、夢に溢れて聞こえてしまう。室内に遊び場的なラウンジをセットしたり、1Fのコーヒースタンドや屋上のフリースペースなどもあり、コミニケーションを誘発する仕掛けも多彩。安易に、以前のように集まろう!とは言えないかもしれないが、この物件は、みんなが集まる事がどれだけ素敵な事かを感じさせてくれることだろう。そう、この建物の目指す場が、とても価値あることだと今だからこそ分かる気がした。
EDITOR’S EYE
もちろん、このようなセットアップ物件はここでなくても腐るほどある。しかし、空間レベルの高さや、建物全体の雰囲気・世界観の良さ、さらに言うとイタリア街という特殊な環境の面白さが兼ね備わったこの物件はやはり特別だろう。