永田町オフィス|天高7m吹抜け有り元機械式駐車場空間
EDIT
>>LOCATION
国の中枢機関が集まる永田町エリア。首相官邸や国会議事堂、最高裁判所など、固めの字面が並ぶエリアではあるが、実は、近年センスの良い飲食店なども多い場所。The World’s 50 Best Restaurants 2023で1位を獲得したペルーの「CENTRAL」がプロデュースする南米料理店「MAZ」や、代々木公園の人気コーヒーショップ「LITTLE NAP COFFEE STAND」のコーヒーも楽しめる実験的なドーナツ店「ホーカスポーカス」など気になるお店が多く出店している。そんな意外性のあるエリアの、青山通りと半蔵門駅前通りに挟まれる三角地帯。最高裁判所を後ろ盾とする様な堅牢な立地にこの建物を見つけた。
>>SPACE
今回ご紹介するのは、元々機械式駐車場だったという1F-B1Fのメゾネット区画。なかなかパンチの効いた経歴ではあるが、現在は見事なまでに変貌を遂げ、内装セットアップオフィスへ生まれ変わっていた。そんな過去もあるためか、1F部分は通路の様な横長のスペースという一風変わった空間のみ。そして圧巻なのは、地下とつながる吹き抜け部分。7mほどもあるなかなかお目にかかれないレベルだ。階段をおりたB1F部分はカウンターとガラス張りの会議室が2つ、黒を基調にモノトーンで揃えられたちょっと大人っぽさのある内装。その先に広がる執務スペースは、4mと高めの天井高と、天井を這うシルバーの配管やレールによって、どこか秘密基地の様な雰囲気を醸し出している。お堅い印象のこのエリアに対して、大胆な空間構成と色気のある雰囲気というギャップがある面白い空間だった。
>>WORKSTYLE
エリア的にはビシッとスーツや制服に身を包んだ人々が多い場所。そんな若干緊張感すら漂う様な場所にあるからこそ、このちょっと特殊な空間は、いろんな意味で期待を裏切ってみるというのも面白い気がした。
視認性も高い1F部分は、ちょっとした打合せの場としても良いが、折角なのでしっかりと会社の世界観を表現したり、ギャラリーの様に外にアピールするスペースにしてみるのはいかがだろうか。堅い印象の多いこのエリアにおいて、なかなかそんな風にイメージを強く打ち出している企業も少ないため、通りがかりの人すらも楽しませる場所として気合を入れてみるのもいいだろう。そして、メインの執務スペースとなるB1F部分は、カウンターを活かしてちょっとしたバーの様にドリンクを飲める社内のコミュニケーションスペースとしてしっかり活用してほしい。籠って集中している会社だと思っていたら、意外にもみんなワイワイ働いていて、笑顔で外に出てくる。そんな風にこのエリアの印象に左右されず、自分たちの働く時間を十分に楽しむ。そんなことが実現できるオフィスになったら素敵だ。
EDITOR’S EYE
実は入居者であれば誰でも利用できるスカイガーデンという屋上スペースも備わっている(画像9枚目)。専有部は採光はあるものの、地下区画のため、清々しい空気を吸ってリフレッシュするために、そして、緊張感を持って働く頭を緩めに行くのにもちょうど良い場所だと思った。