EDIT
東新宿駅の交差点近く。ひときわ大きな存在感を放つ建物がある。
軍艦マンション。
シルバーに塗られた躯体と小さな窓、屋上に見える横置きされた給水塔などはまさに軍艦の甲板にある艦橋を思わせ、いつの間にかこう呼ばれるようになったという。
設計は渡邊洋治氏。陸軍出身で随所にその影響がうかがえる独特のデザインの建築物を手がけることから狂気の建築家、異端の建築家とも呼ばれた。この軍艦マンションは渡邊氏の代表作である。
そんな建築当時から異彩を放っていた建物が、40年という年月を経て再出航することになった。その精悍な姿はそのままに、リノベーションを施し、あらゆる時代の波をのみ込んで、新しい形として生まれ変わる―
3階~5階はオフィスフロア、6階~8階はシェアSOHO、10階~14階をシェアハウス、と多様な価値観を持つ入居者が集まりコミュニケーションが生まれることで、この軍艦マンションはより新しく蘇るのだ。
今だからこそできる、その運命のもとに。
オフィスフロアは全5区画。4つ並んだ軍艦のユニット内は、写真の通り躯体むき出しになっており、建物外観よろしく無骨な空間。何もない自由度の効く空間だからこそ、作り込む楽しさを満喫してほしい。ユニットが4つ並んでいる故、気の合う仲間同士で分けて使うも良し。同じ空間ながらユニット内で個性の出る雰囲気。一から空間が作り込める醍醐味かもしれない。
1階には入居者が共用で利用できるミーティングスペースやギャラリースペースも。
新しい軍艦マンションには、コミュニケーションを紡ぐための多くの場がある。このコミュニケーションこそ、新たな息吹を吹き込む大事なファクターに違いない。
EDITOR’S EYE
あらゆる価値観を持った人がこの「軍艦マンション」という名の元に集まるという運命。だからこそ、ここで生まれるコミュニケーションは、働き方や考え方、仕事にさえも影響を与えるだろう。