六本木オフィス|2F建1棟 スケルトン中庭付き
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LOCATION
六本木の賑わいを背に、一丁目方面へと六本木通りを下りきった辺り。街の密度が急に下がり、人通りが減ったことで、どこか隙間の多い抜けた雰囲気に切り替わるのを感じる。頭上を走る首都高との距離がだいぶ遠いと感じる頃には、徐々に晴れやかな気持ちが込み上げてきた。溜池山王や虎ノ門など、再開発エリアのビル群が持つ洗練された近代的な雰囲気が入り混じる、そんなロードサイドオフィスの一角。白い縦格子のファサードと前面ガラスを大きく構えたこの建物が立っていた。
SPACE
格子状のファサードのせいで、外からでは隣接する建物との境界がわからなかったが、室内に入ると、このスケルトン空間が持つ独特なスケール感と高いポテンシャルを感じることができる。
天高約3m前後を確保した2フロアのメゾネットの横に、上まで吹き抜けた中庭が並ぶ、なんとも楽しげで立体的な空間構成。前面はガラス張りで、天地いっぱいの開口部からは、首都高の高架がダイナミックに飛び込んでくる。その反面、人通りはそこまで多くはないため、外からの視線もあまり気にならない。なんとなく感じる落ち着きと安心感は、そこから来るのであろう。
そして、中庭へ視線を向ければ、ちょっとしたステージのようでもあり、気持ちが弾む。この場所が建物全体に開放感を与えながら、内と外が曖昧な空間の面白さを生み出しているに違いない。程よくコンパクトでありつつも、備え持つ空間力にワクワクさせられるような魅力のつまった空間だった。
HOW TO USE
この建物、実はメインとなる本館の隣にひっそりと佇む別館。言わば“サブ”的な建物というのだから驚きだ。確かに、外から見たときの位置や印象は大人しく、おまけと言われてもしかたがない扱い。ところが、9階建ての本館の隣に、わずか2階建の1棟として立つからこそ、このサブはその真価を発揮する。オフィスビルのワンフロアなら代わりはいくらでもあるが、2階建の1棟ビルはそうはいかない。六本木通り沿いという立地や、空間としての自由度、外に備えた中庭も味方につけている。
中庭に面した1階は、店舗や来客を想定したギャラリーやコミュニケーションの場に。2階は、中庭の吹き抜けやスケルトン階段を通して1階の空気感が伝わるワークスペースに。空間に力があるので、この空気感は絶対に残して使うべきだ。ほんの少しデスクやチェアに意識をするだけでも、きっと素敵な空間に仕上がるはず。元々、高いポテンシャルを秘めた物件なだけに、別館というサブ的な扱いに違和感を感じてしまったことがことの発端。メインを超えるというよりも、別の魅力に注目した結果、サブがメインを凌駕してしまっているように感じてしまうのだから、メインの本館としてはたまったものではないだろう。
EDITOR’S EYE
元々はオフィスのみで検討していた物件だからか、店舗としては外から中が見えづらい奥ゆかしい造り。また、中庭については共有スペースと定めているため、現状、中庭を自由に使える想定ではない。ただ、このスペースの存在自体が、店舗として考えた際の大きな魅力の一つになることは間違いないだろう。