北参道SOHO | 築浅トリプレットデザイン空間
EDIT
>>LOCATION
最寄りの北参道駅、原宿駅からはそれぞれ6分ほど。明治通りと明治神宮に挟まれるように広がる千駄ヶ谷3丁目エリアの、少々奥深い立地にこの建物は立っている。周辺は落ち着いた住宅街という環境。そんな中にも、小洒落たショップやオフィスなどがポツポツと顔を覗かせ、この千駄ヶ谷エリアらしい、穏やかな環境とオシャレ感がうまく調和したような街並みが広がっていた。
>>SPACE
2021年末に完成したデザインレジデンス。落ち着きあるモダンなデザインが、この周辺環境の温度感にもうまく合わせているようだった。
ご紹介はこの1Fにある空間。正確に言うと、地上1Fから地下2Fまで続くトリプレット空間で、室内に入ると、そこから見下ろす奥深い空間に思わず驚かされる。1Fはエントランス、B1Fはリビング、B2FはDK+ベッドルームという構成の室内。奥深い地下空間だが、いわゆる地下特有の閉鎖感などはほぼ感じられない。むしろ窓先にある大きく吹き抜けたライトコートによって、光は十分に降り注いでくるし、窓を開ければ風もよく通る。ライトコートももちろん専有利用ができるし、中央にある地下1Fの部屋までは、地上から直通の専用階段によってアクセス可能と変わった作り。このライトコートスペースも含めてどう彩って使ってやろうか。そんな可能性を深く探っていきたくなるような、面白みのある空間だった。
>>WORKSTYLE
この物件の前提としては、基本的には住居。その上で、一部少人数制の事務所利用を兼ねることができるというもの。例えばB1Fをワークスペース、B2Fをレジデンススペースとして使い分けする感じがいいだろうか。そうすれば、地上部から直接アプローチできる階段も、ワークスペースの入口としてうまく利用できそうだ。日中は柔らかく注ぐ光を横目に感じ、好きな音楽でも流しながら、ゆっくりと、深く、深く、少人数の仲間達と想像を膨らませていく。時間を忘れるほど好きな事に没頭し、働き疲れたら下に寝に入ればいい。そして次の日も、起きた瞬間から大好きな仕事がスタートだ。まるで精神と時の部屋のよう。もちろん、そんなクレージーな働き方を推奨するわけではないが、そのぐらい余計なことは忘れて、この空間で狂ったようにクリエイティブ作業に没頭したら、きっと短期間で爆発的な成長も同時に手に入るかもしれない。
EDITOR’S EYE
レジデンス空間でありながら、生活に必要な水回り設備はB2Fに集約しつつも、B1Fにも独立したトイレとミニキッチンを備えた、明らかにSOHOを意識したような作り。働く、住むをうまく使い分けがしやすそうな、優秀な空間だ。まだ竣工間もないコンクリート制の建物で、さらに地下空間なので、しばらくの間はどうしても湿気が溜まりやすいと思うのでご注意を。