渋谷オフィス | 神南新規オープンのサービスオフィス
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LOCATION
渋谷駅周辺を行き交う人の波をかき分けながら、神南方向へと歩を進める。人も音も情報も絶えず流れ込み、多様な人、価値観が入り混じる、いかにも渋谷らしい熱量に満ちた街並み。そんな賑わいから少し逃げるように、渋谷MODI脇の裏路地へ入ると、空気はふっと落ち着きを取り戻す。賑わいの余韻は残しつつも、人通りはぐっと減り、細い路地にはどこか裏渋谷的な静けさが。そんな少し入った路地沿いに、ある意味このエリアらしさを纏ったこの建物が、さりげなく姿を現した。
SPACE
まもなく1棟リノベーション工事が完了するこの建物。一言で言うなら、まるで小さな渋谷をそのまま閉じ込めたようなビルだった。というのも、ポップなグラフィックや看板を纏った外観から始まり、1Fには今後アパレルショップとカフェ、2F〜3Fにはこのサービスオフィス、4F〜5Fにはホテルがオープン予定。築50年の建物をベースに、小さくも複合的な構成と、神南らしいファッション感覚も取り込んで、うまくプロデュースされている。そんな少し雑多で、少し挑戦的なこの建物のスタンスが、実に渋谷っぽく感じさせるのだと思う。前置きが長くなってしまったが、そんな建物の中に誕生したこのサービスオフィスがとても魅力的。レトロな躯体の魅力を活かしながら、スケルトン仕様のラフな室内や、落ち着いた色合いで整えられた共有部、所々に差し込まれたポップなアートなどを通して、肩肘張りすぎないクリエイティブな空気感にまとめられていた。
HOW TO USE
場所が賑やかな渋谷の中心と考えると、この空間自体は思いのほかシンプルで、少し物足りなさすら感じてしまう方もいるのかもしれない。ただ、それもきっと意図的だろう。多様なカルチャーや価値観が入り混じるこの街の中で、あえて色を決め込みすぎず、むしろどんなスタイルも受け止められる余裕を残しているのだろう。POPにも、スタイリッシュにも、少しお堅い使い方にも、ラフなチームにも。どんな世界観にも自然に、しっかりと馴染めるように。そう考えると、このニュートラルな姿にも妙に納得できてしまう。
さらに建物内にはショップやカフェ、ホテルまで揃い、この小さな建物の中だけでも、様々な人や空気が交わっていく。そして一歩外へ出れば、そこには常に変化し続ける渋谷の街。その熱量やスピード感、多様性までも、働く環境の一部として取り込めてしまうのが、この建物の面白いところだろう。ここではオフィスを構えるというより、渋谷という大きな流れの中へ、自分たちをそのまま投げ込んでみる感覚に近い。振り回されるのか、染まるのか、それとも逆に何かを残せるのか。その変化ごと楽しめる方ほど、きっとこの場所を面白がれる気がしている。
EDITOR’S EYE
近年、このようなサービスオフィスが増え、くどすぎるほど彩られた内装や、少々too muchにも感じられる共有部などをもつ施設が多く見受けられる。でもこの施設は、むしろ一周回ってシンプルに戻ったというか、建物の素材の味をうまく活かしつつ、程よく渋谷の感性やデザインを保ち、さっぱりと仕上げているところがすごく好印象だった。