原宿オフィス・店舗|天高3.5mスケルトン路面区画
EDIT
>>LOCATION
場所は原宿・とんちゃん通り。流行の移り変わりの早い原宿エリアにおいて、少し時間の流れが緩やかとも言える場所。昭和35年創業の大衆中華店「昭和軒」や生マグロ丼の有名な「仲や」など、およそ原宿エリアの雰囲気とは思えない様な昭和レトロが意外と心地良い。そんな通りから少し折れたところ。原宿感の強いカラフルポップなデザインフェスタギャラリーの手前に、コンクリートとガラスの外観がシュッとした印象のこの建物を見つけた。
>>SPACE
2016年に竣工した、まだ比較的新しめの建物。敷地をゆったりと使い、建物前に贅沢なゆとりを設けた余裕のある佇まいが好印象だった。募集の1F区画は、そんなスペースの奥にどっしりと構えている。店舗想定の路面区画であるため、半分以上を大きく開くことのできる入口は、人を招き入れるにはもってこいの造りだ。その室内は、ほぼフルスケルトンの状態。天井高は3.5mと高く、奥に向かって広がりのある空間形状に加え、建物奥側にある窓から光が差し込んでいるため、面積以上の広さを感じられた。
しかし、この空間に入った時に最も感じたのは、良い意味で原宿エリアらしくないということ。その要因は、やはりこのシンプルさではないだろうか。壁も天井も床さえもスッキリとしていて、おまけに配線もちゃんとまとめられていたり、配管も最低限の長さで露出している。素地が良いからこそのシンプルさに加え、見せる部分と見せない部分のバランスにもこだわりの感じられる空間だった。
>>HOW TO USE
これくらい何もなく、スッキリとした整ったスケルトン空間は希少ではないだろうか。スケルトンだからこそ、余計なものがうまく削ぎ落とされ、素地の良さがより活きている。そんな空間であれば、オフィスや店舗を運営していく上で最低限必要な設備と家具などを設置するだけに留め、過剰な装飾をせずに利用したいと思えた。その1つ1つを丁寧に且つ、こだわり抜いて選び、この空間に本当に必要かを考える。そんなところまで突き詰めて、こだわり抜いて仕上げたシンプルな空間では、室内の美化に対する意識も高まり、整理を欠かさないという習慣がスタンダードになるかもしれない。さらには、無駄なものがなくスッキリ整った環境は、よりクリアに頭が働き、パフォーマンスにつながったりしたらそれこそ言うことはない。
“Less but better.” より少なく、より良く。そんなスタイルが似合う空間だと思えた。
EDITOR’S EYE
室内はほぼフルスケルトンだが、奥側スペースに「バリアフリートイレ」が設置されている。スケルトンの空間において、設備が少しでもある点は有難いだろう。ただし、空間に対して少々スペースを取っているため変更なども相談可能とのこと。もし、変更した場合は、原状回復は必要になるため、その点はご了承いただきたい。