表参道オフィス｜天井高3m超の地下空間

>>LOCATION
表参道の1つの目印としてもよく登場するAppleStore。その周辺は、地下鉄の出口、マイセン通りの入り口という要素も加わり、表参道の中でも一際人通りが多いスポットでもある。
普通ならカオス感がでてもおかしくないくらい、あちこちから支流が合流するポイントとも思えるが、ケヤキの緑、透明感あるAppleStoreの存在もあって、嫌な感じの混雑感がないのが不思議だ。今回の物件は、そんなAppleStoreからわずか数十歩。入り口にStarbucksを備えた建物の地下にある空間だ。

>>SPACE
存在感あるStarbucksの脇を抜けて、少し奥まったところから潜り込む様な感じでアプローチするこの区画。撮影時は、猛暑日認定されるほどの良い天気だったにも関わらず、この空間は、地下らしいひんやりとした涼しさで迎えてくれた。そんな気持ちいい歓迎と共に、目に飛び込んできたのが、光に照らされた緑。空間自体は地下なので、照明をつけないとお世辞でも明るいとは言えないが、さっきまでの喧騒からバッサリと切り離され、光り輝く緑を目にしたら、すんなりと“いいじゃん”と思わずにはいられなかった。
空間自体は、天井が一部3mを超え、ストンと真っ直ぐに伸びた空間の先に、こぢんまりとしたテラスがある。もちろん地下なので、側面などには窓がなく、一方向からの光に限られるが、外部から完全に切り離された感が妙に居心地を良くしてくれる。前入居者の名残りで、階段からアプローチした際のレセプションが既に備わっていたり、男女ゆったりとしたトイレも備わっていたりと、ベースはしっかりと整っていた。

>>HOW TO USE
店舗利用をメインとして募集している区画だが、現在の室内は、その目的と空間のポテンシャルを無視したオフィス仕様。階高は3.9mというので、天井をベリベリと剥がして、この空間の本気をみてみたいと感じるのは自分だけじゃないだろう。
冷静に考えても、表参道駅至近で、目の前の通りには人が溢れているのに、そんなことは全く感じさせず隔離されたようなこの空間は、ちょっとしたオアシスレベル。おまけに、スタバが真上とくれば、キッチンがわりにコーヒーを日々調達するような感覚じゃないだろうか。
もちろん、店舗として活用して、訪れる人をもてなしても良いが、ひっそりと自社で独り占めしてしまいたいという独占欲を暴走させるのも悪くない。天井の撤去、照明の変更、光の入りにくい壁の多い空間を逆手にとって、映像を流したり、音楽を少々大きめに流したり、徹底的に仕上げてみる。そして、コーヒー片手に静かな表参道で、自分たちしか味わえない優越感に浸りつつ働く。そんなことを妄想させられるくらい、なかなかニクい物件だった。

元々は、有名格闘家の運営するトレーニングスタジオが入っていて、その際には、天井もきれいに取っ払らわれていた。その時の写真も入手しているので、この空間の本気をみてみたかったら声をかけていただきたい。