EDIT
アメリカ橋を越え、ガーデンプレイスのふりまく異国文化薫る恵比寿の街を横目に、山手線沿いを歩くこと約5分。ビルというよりは白塗りのアート作品のような建物が現れる。不規則に並んだ窓と、角を湾曲させたフォルムが妙に印象に残る。
エレベーターホールは吹き抜けとガラス、白い壁と床。シンプルで飽きがこない作りとなっている。その入り口とは別にある直接階段からの入り口を利用して、オフィスにショールームを兼ねた使い方などもでき、訪れるお客様にはバックオフィスとはまるで違った印象を演出することができる。もちろんショールーム部分だけ空間を完全に仕切ってもいいが、仕切ることなくこの空間全体をショールームのように使おうという思いにもかられるかもしれない。それを可能としているのは、給湯室やトイレがひとつの場所に集約されていて、ドアで目隠しされているから。それだけではなく、目線の高さの開口部と足元から天井まで一枚ガラスで抜ける開口部なども、ランダムに見える景色をそのまま活かしたいという気持ちも理由のひとつだ。
この選択は「どのように働きたいか?」という大命題にかかる重大なポイントだろう。お客様目線で空間づくりをするのか、または、スタッフのモチベーション・働き方に重点を置くのか。この物件、働き方の意識が試される逸品かもしれない。
EDITOR’S EYE
存在感とインパクトが抜群の建物。ここにいるだけで他とは違う何か面白いことをしてくれるのではないかという期待感をメッセージとして発信できてしまいそう。ここでは個性的な働き方、たとえばオフィスでのファッションなど、枠にハマらない働き方を追求したい。