西麻布オフィス|個性派デザイン空間
EDIT
>>LOCATION
アドレスは西麻布。最寄り駅となる表参道から徒歩10分程、骨董通りを抜け、六本木通りに差し掛かるほんの手前を左に折れるあたり。周囲は穏やかな雰囲気のある住宅街になるが、面白い建物があると思って近づいてみると、実は有名な雑誌の出版社やスタジオだったり、雑誌で見かける隠れ家的レストランだったりする。すぐ近くの表参道や青山とも違うが、もちろん夜のイメージのある西麻布ともまた違う不思議な落ち着きがあり、どことなく謎めいた街並だと感じる。そんなエリアの一角に、プリズムがいくつも並んだように見える、特徴的な外観のこの建物があった。
>>SPACE
募集区画は1F/2Fのメゾネット空間。正面から少し奥まった位置にあるエントランス先の1Fは、左右に窓が無くやや薄暗い第一印象。三角形が組み合わされた様なトリッキーな外観をぐるりと眺めた後だったので、思った以上にシンプルに感じたが、改めて周囲を見渡すと、吹き抜けを絡めた階段やクリアな素材で光の差し込む天井など、やはり期待を裏切らないこだわりが再認識出来た。
階段を登り2Fへ上がると、そこにはパッと雲が晴れた様に明るい空間が現れる。一部勾配になった北側は、上からも正面からも透明感のある光が差し込み、この建物の本領発揮とでも言えるような開放感を感じるスペース。1Fの透明な天井だと感じていた場所は、実は2F部分の透明なガラス仕様の床になっており、場所によっては1Fからでも空が仰ぎ見れるような仕掛け。全体的に天井はそこまで高くなく、仕上がりもこれぞデザイナーズというわけではではないが、個性的な物件であることは写真からも一眼で伝わるだろう。
>>HOW TO USE
上下にフロアが分かれているが、光の繋がりからくる空間全体の一体感。駅からも少し距離感が感じられるだけに、席を目一杯確保するというよりは、この空間で過ごす時間をより快適にする様に、少し余裕を持たせてみても良いのかもしれない。
階下には主要メンバーの固定デスクを配置しつつ、2Fはあえてフリーアドレス。上からも光が注ぐ開放的な窓際部分には、ちょっと寛げる様なソファーを設けコミュニケーションスペース的に利用することで、何気ない会話の中からアイデアが生まれることもあるだろうし、何よりこの場所に集うだけの理由の一つにもなるはずだ。
リモートワークや在宅など、オフィス環境の大きな転換期である状況だけに、オフィスに来る価値を高めるような取り組みはこれから必要不可欠。この空間でなら、集まる光とともにそれぞれの個性が乱反射してより煌めく様な、ここに集うだけの意味のあるワークスペースが実現できるのではないだろうか。
EDITOR’S EYE
築年数は30年ほどを経過しているが、当時は建築雑誌にも取り上げられたこの建物。1Fのエントランス前のスペースは、1台オーナーが駐車スペースとして利用中とのこと。住宅エリアのため一部用途的な制限はあるのだが、周辺環境の長閑さや空間に差し込む清潔感のある光含め、いい空間だった。