白金台オフィス・店舗・SOHO | 雰囲気のある1棟デザイン戸建て
EDIT
>>LOCATION
白金台にあるプラチナ通り。まるで異国にでも迷い込んだかのような雰囲気すら漂うこの通り沿いには、春先には立ち並ぶ街路樹がモサモサとした緑を纏い、秋ともなれば通りを黄金色に染める魅力的なシーンに出会える。車や人通りもそれほど多くなく、常に穏やかで品のある雰囲気が魅力で、BIOTOPのような感度の高いショップなども点在し、ふらっと立ち寄りを楽しませてくれるところも好きだ。そんなプラチナ通りから斜めに外れるように階段を上っていった小高い場所に、ひっそり立つこの建物をみつけた。
>>SPACE
丘の上に立つ白い建物。ふんわりと優しげな表情をしていて、丘の上の、さらに道が枝分かれする角地という、なんとも絶妙な場所にうまくポジショニングしているのがまたいい。そんな建物を初めて見た時、シンプルに一目惚れした。
建物は3F建て。1Fはショップ向きな空間で、入口のアプローチもいいし、ガラスの折れ戸を開け放てば、そのまま目の前の道とも一体に繋がることもできる。奥には小部屋が2つ付いているので、大小の空間でなにかとうまく使い分けできそうな印象だ。そんなオープンな1Fとは、ある意味対照的な性格の2F部分。最小限の換気窓が開けられているだけで、ほぼ壁というなかなか内気な空間。しかし、形はシンプルだし、面が多いのも意外と使い道はありそうな印象も受けた。さらにその上にある3Fは、これまでと打って変わって住居仕様の空間。間取りで言うと2LDKで、外には小さなバルコニーもついていた。
そんなキャラの異なる3つの空間を、螺旋階段が柔らかく繋いでいる。その階段の壁に開けられた窓からは、隣接する敷地の緑をうまく取り入れていて、白い階段室との対比がなんともニクたらしいほどよい作りだった。
>>HOW TO USE
室内もちろんながら、個人的にはやはりこの物件の雰囲気的な部分に強く魅力を感じている。建物への階段のアプローチや、道が枝分かれする角地に、まるで道の番頭のように腰を据えている感じ。まるで小説や童話にでてきそうな面白い世界観があり、そんな建物からどんなストーリーが今後生まれるのかが一番注目している部分だ。例えばレジデンス機能も備えたこの建物で、住みながら働くこともできる。1Fをショップやオフィス、2Fをギャラリーやスタジオ、そして3Fは家族との空間。ここでなら、寝ても覚めても好きなことを好きなだけやって過ごすことができそうだ。ただ、お気づきかもしれないが、この建物の大きなネックとしてはこの階段というアプローチ。搬入搬出の多い業態にとっては大きな障害でしかないので、かなり業態も制限されるだろう。しかしながら、その狭き門によって精査され、よりこの建物と運命的な共存ができる方が現れるかもしれないし、そんな相性のいい方と、この丘の上の白い建物が今後作り出すであるストーリーが、やっぱり気になってしまいしょうがない。
EDITOR’S EYE
この物件の魅力は、そのアプローチの面白みや、周辺環境との立ち位置のバランスのよさ。正直、これは写真ではなかなか伝えきれないので、実際に現地を見ていただければその雰囲気の良さをよく感じていただけるはずだ。