青山オフィス・店舗 | 骨董通り沿いセミスケルトン空間
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>>LOCATION
青山通りから六本木通りへ抜けていく骨董通り。道幅の割には車通りや人通りも多く、常に賑やかな印象のある通りで、道中には華やかなショップや、飲食店が軒を連ねている。そんな通りの中央あたりに位置するこの建物。2022年でちょうど満50歳を迎えるこの大型マンションは、時代の変化と共に、現在ではその区画の多くがオフィス利用へとシフトし、使われてきている。そしてまた一つ、2022年9月に装い新たに生まれ変わったばかりの空間を見つけた。
>>SPACE
募集は骨董通りに面する3Fの角部屋。以前まではオーナーの住戸として使われてきた区画で、今回はその当時の内装を全て撤去し、心機一転とばかりに身なりをリニューアルして新たなスタートを切った。
室内は見た通りのスケルトン仕様。床や壁は下地までは設置しつつも、あとは入居者側で自由に色付けしやすいよう、創作の余白を残したような状態でうまく止めている。元々のコンクリート素地の味わいある表情や、高めの天井高など、この空間に惹かれるポイントは多々ありながらも、なにより一番魅力的なのは、この連続する大きなガラス面だろう。そこからは常に移りゆく骨董通りをダイレクトに感じられるし、南西に向いているので、光もよく入って気持ちがいい。また、夜になれば、通りに並ぶショップの明かりや車のヘッドライトの光がキラキラと光り、いい感じに色気ある景色が眺められそうだ。こんな贅沢な場所に住んでいたオーナーへの嫉妬心はありつつも、同時に、次の世代にこの空間を譲ってくれたことに感謝すらしたくなるような、なんともいいポジションにある空間だった。
>>HOW TO USE
オフィスだけでなく、ショールームやスクールなどの店舗利用も内容によっては相談可能だという。ただこの空間の唯一であり最大のネックが、3Fのエレベーター無しということ。そのため、搬入や人の出入りが多い使い方だとやはり難しい部分はあるかもしれない。ただ、逆に言えば、3Fまでわざわざ階段を上ってまで行きたい空間、と思わせる事ができたら、ある意味勝ちではないか。
この空間をベースに、おもいっきり自分のカラーで彩ってもいいし、このざっくりした雰囲気に温度感を合わせ、このままの姿をベースとしてカジュアルに整えてあげるぐらいでもよいだろう。床もこのまま何も敷かずに使うというのも、結構かっこいいのではないだろうか。室内完結にとどまらず、せっかくこのような大きく顔を開いているので、道路を歩く誰もがついつい見上げてしまうような、外に対しても魅力的な空間に生まれ変わったらまた本望だし、それだけのポテンシャルは十分備えた空間であることは声を大にして言いたい。
50歳という節目で、次のセカンドライフへの船出を切ったこの空間。そんな次の人生が、この空間にとってどのような素晴らしいものになるか、みんなで見届けつつ、一緒に応援していくのもまた楽しさではないだろうか。
EDITOR’S EYE
建物自体は1つだが、実は低層階と高層階の2つの建物に分かれているという、ちょっと風変わりな建物。そのため、この空間のある低層階の建物にはエレベーターがないものの、正確には高層階側にあるエレベーターで4Fまで行き、そこから3Fへ階段を下がるという裏テクができるのだという。それでも頻繁な搬入搬出は難しそうなものの、日常使い程度であれば割とストレスなく使えそうだ。また、この立地には珍しい、平置きの駐車場も1台分は確保済み(利用は別途料金)というのは地味にありがたい。