幡ヶ谷オフィス｜地下に広がる天井高7ｍの空間

>>LOCATION
それぞれのエリアで個性が確立されている渋谷区の中でも、生活色が強いエリアとして存在する笹塚・幡ヶ谷エリア。商店街や街の中を走る緑道などがローカルな印象もあるが、それが居心地の良い空気を作っているのも確かだ。とはいえ不便な立地というわけでもなく、新宿や渋谷までのアクセスも良くて機能性も十分。そんな笹塚駅と幡ヶ谷駅のちょうど中間あたり、住宅街の中でこの建物を見つけた。

>>SPACE
スマートな印象のこの建物から地下にこんな空間があるなんて想像は難しいだろう。募集となる地下1Fへ降りて部屋への扉を開けると、そこには地下ということを一瞬で忘れさせるほどの開放的な空間が待っていた。それもそのはず、この空間の全ての部屋が天井高7ｍを確保している。ここまで高い天井はなかなかお目にかかることも珍しいのではないか。この天井があるおかげで、やや細長い間取りをしたメインスペースは圧迫感すら感じない。さらに吹き抜けのドライエリアと面する部屋に関しては、7ｍの天井高に合わせて設けられたガラス窓から入る光もあって、ここって地上階？と錯覚させられるほど。前入居者だった音楽スタジオが残した防音対策もあって、オフィスとして考えるとその部分は少々オーバースペックとも感じられたが、この空間を使いこなすことを考えたときには、そんな要素もうまく使ってしまおうとワクワクが止まらなかった。

>>HOW TO USE　
インパクトのあるこの空間の唯一気になったところは、地下だからか照明で明るくしすぎたことで、空間の色気が感じられにくくなってしまった点だ。7ｍ上の天井に直付けされた照明は地上階よりも明るく空間を照らしている。でも、その点は、照明を工夫することで色気を出すことはできるだろう。例えば天井から4ｍほどペンダントライトを複数垂らして、上下で明暗を分けてみても空間に深みが出るはず。場合によっては和紙のライトカバーで空間全体をふんわりと温かみのある光で包んでみてもいいかもしれない。照明で色気を出すことに成功したら、次は壁面の高い位置に映像を流してみたり、思い切って床を質感のあるフローリングに変えてみたりと、なかなか日常では味わうことのできない空間を目指し、遊び心をもって変えていってみて欲しい。この希少な空間が持つ素のポテンシャルを最大限に活かして、非日常的な空間を作ることができれば、きっと誰もが羨む、働く環境を手に入れることになるだろう。

上階に躯体冷暖房が入っている恩恵がこの空間まで落ちてきている。夏でも冬でも空調を使わずとも平均して24℃の室温をキープしているとのこと。天井高が高いと電気代などのランニングコストも不安要素の一つかもしれないが、ここではその心配も少なそうだ。