南青山オフィス|天高5m超居抜き空間
EDIT
>>LOCATION
表参道から根津美術館方面へとまっすぐに続くみゆき通り。通り沿いには国内外のハイブランドショップがそれぞれの個性をこれでもかと魅せていることもあり、いつ通っても華やかさや新しさを感じられる。そんな華やかな雰囲気もありながら、この通り沿いの印象は、青南小学校の広い敷地や子供たちの健やかな声もあって、徐々に穏やかさを帯びていく。根津美術館前の交差点付近からは、高級レジデンスが多く立ち並び、ゆったりとした建物と空気感が青山霊園方面へと続いている。その中に、敢えて道路から遥か奥へと続くアプローチを設けた、控えめなこの建物を見つけた。
>>SPACE
建物エントランスへと入ると、この辺りの落ち着いた雰囲気を彷彿とさせるかの様なシックで期待感が高まる廊下を進む。そこからやけに高く開放的な階段をぐいっと折り返す様にして、ようやく辿り着いた先が今回募集のB1F区画だ。
室内は、手前に約5.7mというなかなかお目にかかれない天井高が現れる。ドーンとインパクトのある縦の空間と、奥には左右に広がる控えめな横の空間という対照的な空間構成になっていた。そして、その天高のスペースは、地下でありながらも、午前中からお昼過ぎまでの時間は意外にも陽が結構差し込む。実は道路面や共用廊下とくっついたスペースであるため、そんな明るさも確保されているという、これまた特殊な状況を作り出していた。
元々は大きな1つの空間だった地下区画を、真ん中に共用のトイレや給湯といった水まわりの設備を配置して2つに区画を分けたこともあって、この少々いびつさのある特殊な形状が出来上がったとのこと。そんな経緯もあり、少々特殊な形状と要素を詰め込んだ様な空間だった。
>>HOW TO USE
この空間は、特殊な要素が多く直球の要素が少ない。独特なアプローチ、過剰とも思える天高、形状の歪さなどなど。例えるなら変化球しか投げないピッチャーの様な空間。しかし、その変化球のキレ味は抜群だ。
ピッチャーの醍醐味と言えば、誰よりも速い球を投げ、あらゆるバッターを三振に切って取る、そんなイメージがある。そんな風にフィーチャーされ、誰もが憧れる直球勝負の中にあっても、多彩な変化球とそのキレ味の鋭さによって、活躍しその名を刻んできたピッチャーも多いはずだ。少し躱したポジショニングのこの特殊な空間も期待以上の働きを見せ、ある種、勝率の高い空間となってくれそうな存在。次の入居者によって、この空間を育成し、変化球にさらに磨きをかけることで、並み居る強打者をキリキリ舞いにさせる様な活躍を見せられる、そんなポテンシャルを秘めていると感じた。
EDITOR’S EYE
この意外性の高い空間をさらに後押ししてくれるのが、賃料坪単価18,000円(税抜)と比較的優しめな設定。まだ競合していないこの選手(空間)も、未来のエースとなり得る期待のホープとして、社内のドラフト会議で指名してみてはいかがだろうか。