学芸大オフィス・スタジオ | 元鉄骨工場跡地1F
EDIT
>>LOCATION
東横線沿いにある学芸大学駅。中目黒や渋谷などへも容易にアクセスできる距離感にあり、住みたい街として常に人気のあるこの街。駅周辺は賑やかな商業エリアで、少し離れれば、感度の高いショップや古い倉庫・工場などを改装した小洒落たカフェなども点在している、街歩きも楽めるエリア。また、周辺には碑文谷公園や、徒歩圏内には家具の通りとして有名な目黒通りもあり、若い層にも人気がある街というのがよくわかるだろう。この物件は、そんな学芸大駅から8分ほど。目黒通り沿いの目黒郵便局に程近い住宅地に、この魅力的な空間を見つけた。
>>SPACE
これまで35年ほど、鉄骨工場として使われていたというこの区画。その当時の機器や什器はほぼ撤去され、今はガラッとしたスケルトンの室内だが、使い古された床の感じやレールの跡、無骨なシャッターの感じなど、当時の面影は今も色濃く残り、色っぽさは十分。間取りはシンプルで、天井高3750mm、240㎡ほどある広々とした空間と、奥の隅っこには、2〜3人ほどが作業できるこじんまりとした事務所スペース付き。ちなみにそこに掲げられた、「事務所」というネームプレートがまた渋くて◎だ。全体的に窓は多くないので、正直明るいという感じではない。しかし、ほどよく入る光によって、むしろこの室内にいい怪しさというか、雰囲気を作っていて、その色気ある空間にとにかくぞくぞくさせられる。
内部とは対照的に、外見は明るい感じ。室内が男というなら、外見は女性的な柔らかさがあるだろうか。シャッター横の壁には、今でも残される〇〇製作所というプレートがキラリと光り、なんとも言えない味がある。区画の前には駐車も可能だが、なんなら、車を室内にそのまま入れる事ができてしまうなど、多少の無理も実現できる、この作りならではの懐の深さも兼ね備えた空間だった。
>>HOW TO USE
基本はこのままの原状渡しとなるため、借りるにはそれなりに相当な覚悟と資金的な体力が必要となるだろう。しかし、そこを乗り越えれば、あとは魅力しか見当たらない。利用方法はなかなか柔軟で、オフィス利用はもちろん、店舗やレンタルスタジオなども基本ウェルカムだという。契約期間の引き伸ばしも相談可、改装の自由度も高そうで、ガラッと作り替えることもできてしまいそうだ。また、坪単価13,000円(税別)ほどという控えめな賃料設定も、うまくその燃えたかる気持ちを後押ししてくれるんじゃないか。
利用方法は様々だと思うが、個人的なイメージで言うと、元工場というバックグラウンドを継承し、なにかモノづくりの拠点として使っていただけたら面白いと思う。それこそ、表に残された「製作所」看板を引き継ぐイメージ。クリエイティブなワークショップとして、例えば大型のアート作品など、なかなか他では作れないサイズ感の作業も可能だし、時間によってはある程度の音出しも相談できるので、本格的に家具などのモノづくりにも没頭できる。これまで職人たちが長く使ってきたこの空間。それを、これからは新たな世代のクリエーター=職人が集う場として使われたら、やはりここの雰囲気にすごく合っている気がする。この色気たっぷりな空間に、次にどんな〇〇製作所が誕生するかすごく楽しみだ。
EDITOR’S EYE
とにかく気持ちをそそるこの物件。むしろ、もうこれ以上心をくすぐらないでくれと言いたいほど魅力ある物件だった。エアコンはなく、トイレやシャワー室などは残されているが、なかなかのおんぼろなため、設備は一式取り替えた考えた方が良いだろう。そんな手はかかる部分は多いが、それ以上の魅力がやはりこの物件にはある。建物が新耐震基準というのも、地味にうれしいポイントだった。