代官山オフィス・店舗 | 1棟スケルトン戸建て
EDIT
>>LOCATION
人気の代官山エリア。この街にはいくつかの代表的なショッピングストリートがあるが、個人的にはそこから細かく枝分かれするよう、無数の伸びる路地へ入っていくのが好きだ。一歩入ると静かな住宅街へとコロっと変わり、そこには小洒落たセンスのいいショップなどが点在していて、散策するのが面白い。大通り沿いにはない代官山の違った側面が見え、これもまた、このエリアの一つの楽しみ方だと思う。この建物もまた、渋谷並木橋から駒沢通りへ向かう八幡通り沿いから、ふらっと入った路地の先に見つけた。
>>SPACE
その形やタイル張りの感じなど、少し年代を感じさせるこの建物。元々は住宅として使われてきた建物だが、現在の室内は当時の面影を残すことのないスケルトンの状態。辛うじてエアコンや水回りが残されているのが救いだが、それ以外は荒々しいワイルドな感じだ。
室内はB1Fから3Fまでの4フロア。半地下のような1Fと、さらにその室内階段を下りたB1F空間。片や窓面も多く、日当たりのいい2Fと、さらに光に導かれるように室内階段を上った3F部分。いずれもコンパクトではあるが、元住居というフィット感の良さと、環境が静かなために、妙に落ち着く空間でもある。ちなみに入り口は1Fと2Fの二つに分かれており、B1Fと1F、2Fと3Fは、それぞれが室内階段で繋がったメゾネット仕様。そのため、実は建物内で明確に2つのグループに分けられた作りとなっていた。
さらに特典として、3Fの上には広めの屋上付き。眺望もそこそこ抜けていて、日当たりも抜群で、これまた気持ちのいいスペースだ。ただ、ここへ続く外階段は結構狭いので、利用の際は色々とご注意を。室内はガッチリスケルトンなので、だいぶ手はかかりそうだが、空間の質は悪くないし、使い分けのしやすさなど、使い方次第で面白くできる。そんな期待値高めな建物だった。
>>HOW TO USE
この物件のいいところは、上下で異なる2つの利用方法が試せるという事だろう。路面からすぐアプローチできるB1F-1Fの区画。かたや2Fまで外階段を上る事で、少しプライバシー性を高められる2F-3Fの区画。この性質の異なる2つの区画を利用して、店舗×オフィスとしてもいいし、2タイプの異なる店舗をミックスというのも、もちろんアリだ。せっかく2つに使い分けができるのだから、例えば店舗にはすごく力を入れるが、他から見られないオフィス部分は至って普通のような、よくある中途半端な感じはやめてほしい。むしろ漫才のダブルボケのように、お互い競り合うような五分五分の関係で、どちらも面白く。それを前提に、1棟作り込んで頂ければ、この建物なりの面白いカタチがまた見えてくるんじゃないか。欲を言えば、この建物がふらっと立ち寄れるような面白いショップやスペースになってくれることで、このエリアの街歩きをより楽しませてくれると嬉しい。
EDITOR’S EYE
ちなみに以前までは近隣の工事現場事務所として使われていたようだが、どうやら現状のまま利用していたという、、なかなかレベルが高い。さすがにこのままでの利用は厳しいと思うが、この荒くれた状態を活かせるところは活かしながら、最低限の投資で最大限の面白い空間へと仕上げるのも、また楽しそうだ。