表参道オフィス｜骨董通り目の前70坪オフィス

>>LOCATION
表参道駅至近。その言葉だけでもステータス感を持った輝かしさがあるだろう。今回の物件はそんな表参道エリア、青山通り沿いにある。骨董通りが真っ直ぐに目の前に伸びていく爽快さを感じながら、長くこの場所に立っている建物。レトロ＆カオスな風貌と建物名のフォントが、洗練されたこの街に似つかわしくない様な気がしつつも、どこか安心感のある、そんな建物だ。

>>SPACE
青山通り沿いに立つ物件でありながらも、今回募集の3F区画はフィットネスジムの影に隠れた奥側区画。青山通り沿い区画をメインとすれば、いわばアナログレコードのB面的な立ち位置だった。「何だ、残念」と思う気持ちもあるかもしれない。しかし、実は建物脇の路地に面しているため、採光も入ってくるし、何より青山通り沿いの交通音はほとんど感じられず、静かに集中することもできるという、意外にも絶妙なポジショニングだった。
空間自体は約70坪の面積を確保した現状スタンダードなオフィス仕様。天井高は2.2〜2.4mとやや低めではあるが、この空間のポイントは天井ボード裏のスキマに隠されていた。なんと、懐に約1mもの空間を隠し持っていて、スケルトン状態になると、約3.2mというなかなかオフィス仕様の区画では出会わないレベルの天高。
この空間が持つ秘めたるポテンシャルに、個人的には今すぐにでも天井を取っ払って、全貌を明らかにしたい気持ちでいっぱいだった。

>>HOW TO USE
スケルトン時の天井の高さや雰囲気の良さを持ち合わせながらも、現状はそこまでパッと目を惹く印象はないのがもったいないところ。この表参道駅至近という抜群の立地としては、かなりリーズナブルに感じる賃料坪単価14,400円(税抜)という設定と、強みも多い物件ではあるので、この空間に眠るポテンシャルを引き出して利用していただきたい。
手を加えることが前提という空間であれば、一度分厚い化粧を取っ払って、素の状態をベースにして整えるのが近道。空間は全体が明るいわけではないので、天井の高さを十分に確保し、採光を確保するためにも間仕切りはあまり設けず工夫する。空間の広さと天井高を目一杯に感じられる様にしておくことで、コスパの良い迫力ある空間に仕上がることだろう。
青山通り側からは全く認識できない区画に、まさかこんな空間が隠されているとは、通りを行き交う人々は想像だにしないはずだ。この空間を魅力溢れる内装へと作り上げ、空間とそこで働く企業が、裏側の持つ評価を変えていく、そんな空間だと思った。

以前のテナントは人気の空間デザイン会社。今では飛ぶ鳥を落とす勢いのその企業もかつては、まだ評価されていない裏側の価値に自問自答しながら、徐々に評価を手にしていったそうだ。空間を既存の環境に囚われず、その中から新しい視点や価値観を見出していくことの重要性を、この空間は再認識させてくれるだろう。