南青山オフィス |歴史あるヴィンテージ物件
EDIT
>>LOCATION
表参道交差点からみゆき通りへ。忙しなく車の往来する道ではあるが、特徴的な外観を持つハイブランド店が立ち並ぶ顔つきからは、気品と、どこか大人の余裕のようなものも感じられ、忙しなさよりもハイセンスさが目立っていた。しかし、そのまま奥へと進んでいくと、辺りには次第にヴィンテージ感漂う建物たちが顔を見せ、先程までのハイセンス感から、少しほっこりするような表情へと変わっていく。そして今回の物件もまた、1975年築のヴィンテージビル。この通りの持つ歴史と、建物自体が持つ歴史が交わり、表面上のかっこ良さだけではなく、“この建物の存在意義”にも、自然と思いを馳せてしまうような、深い魅力があった。
>>SPACE
ブロックが無造作に積み上げられたような形のこの建物は、外観同様、共有部も少々複雑な作りになっている。あちこちに散りばめられたスキップフロアや、大きな吹き抜けを中心に回廊になっている廊下などが特徴的で、中に入ると、迷路に迷い込んだような感覚に陥り面白かった。
そんな迷路の中にひっそりと佇んでいるのが、今回募集の305号室。ちょこんと小ぶりな入り口のドアは、裏口のようなあっさり感はあるものの、無駄を一切排除していて潔い。そのどこか洗練された雰囲気に、室内への期待も自然と上がっていった。そして、ワクワクしながらドアを開けると、そこに現れたのは意外にもオフィス仕様の空間。しかし、ざっと見る限りでも期待通りの洗練具合で、ただただ真っ白に広がる壁と、ダークカラーのカーペット、ピリッと引き締めるブラックの階段が、シンプルを極めていてかっこいい。そして、そんなシンプル空間の一番の顔となっているのが、ゆったりと取られた吹き抜けだ。天窓からはほんのりと日が差し込み、それを白い壁が柔らかく広げ、まるでちょっとした美術館のような神聖さすらあり、美しい。レンガに覆われたヴィンテージビルの中に、まさかこんなクールで美しい空間が隠れているとは想像がつかなかった。
>>HOW TO USE
建築家、山下和正により設計された今回の物件。建築に興味のある人ならば一度は名前を聞いたことがあるような有名な建物で、入居希望者も後を絶たない。名ばかりではなく、実際にこの街に与えた影響も大きいようで、かつてはこの建物が、このエリアのアパレルやインテリアショップなどの先駆者となり、街に彩りを生む起爆剤としても活躍していたようだ。現在、その他区画に入居しているテナントは、どれも全国的に信頼のあるブランドや、老舗レストランなど、この建物の名に恥じない強者ばかり。そんな中に新たな仲間として加わるのは、会社にとってもかなりの刺激となるだろうし、ある種のステータス感も楽しめるだろう。それと同時に、建物の歴史の一部となる責任感も、心地良くのし掛かっていく。入居する事の意義は、“空間がかっこいいから”以外にも、特別なものがありそうだ。
EDITOR’S EYE
その他入居者との交流も密に生まれそうな予感。そうした出会いを楽しめるのもこの物件の魅力だろう。滅多に募集のかかる事のない物件なので、ぜひこのチャンスを逃さないようにしてほしい。