神宮前オフィス | 元スタジオ居抜きのシンプルリノベ空間
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>>LOCATION
ラフォーレ原宿や東急プラザなど、有名商業施設が立ち並ぶ明治神宮前の交差点。ちょうど原宿と表参道の切り替わりのポイントとされ、日々多くの人々で賑わう言わずと知れた場所。春先には表参道のケヤキ並木も緑掛かり、遠くまで色濃く伸びる新緑のロードを眺めるのが、個人的には毎年の楽しみだ。この空間は、そんな交差点から目と鼻の先。渋谷方向へ1、2、3軒目という明治通り沿いの建物の中に、ひっそりと隠れ潜んでいた。
>>SPACE
見た目の若さに反して、もうすぐ50歳という節目を迎えるこの建物。そんな事もあり、共有部はだいぶヨレヨレという感じだが、部屋の扉を開けると、これまでの事を一旦チャラにさせてくれるような雰囲気のいい空間が現れた。
室内は白を基調とした、明るく、清潔感すら感じるセミスケルトン空間。東南に向いた窓からは光もよく入り、一面に貼られた鏡の視覚効果で、まるで空間が倍増しているような広がりを作り出しているのが面白い。明治通りとは反対を向いた区画なので、騒がしい車の音も聞こえないし、むしろ窓先には路地裏の穏やかな風景がチラチラと。そんな眺めもとても穏やかで、原宿・表参道の中心地とは思えない長閑な時間が流れている。ちなみにこの空間、過去には原宿系の有名アーティストのダンススタジオとして使われていたという。この一面に貼られたミラーも、実はその当時の名残で、ここから世界へ羽ばたいていったと思うと、なにかと感慨深いものがあった。
>>HOW TO USE
この空間、鏡張りによる恩恵がだいぶ大きいと思う。鏡という単純な仕掛けだけで、空間の広がりはもちろん、魅せ方や使い方なども、他の物件にはない変わった面白み想像できる。例えばデスクなどの配置次第では、空間や人をまるで倍の大きさに錯覚させてしまう事もできるし、ショールームなどはこのまま鏡も使え、商品もうまく展示ができるだろう。また、ギャラリーなんてのもイメージがし易そうだ。入り口を入った小スペースをレセプションとし、右手に鏡の部屋へ入ると、そこには面白みある世界観を持った空間が広がるという感じだろうか。一見シンプルな部屋だが、ひとたび何か物を置くだけで、トリック性をもった面白みある空間に変貌する。この空間では、そんな視覚の操作によって来る者にインパクトを与え、うまく自分たちへの興味を惹きつけるためのトリックとして、楽しみながら使ってもらいたい、面白みを備えた空間だった。
EDITOR’S EYE
表参道・原宿の中心地という誰もが憧れそうな場所にポジション取りをしながら、同時に落ち着いた働きやすさと、トリッキーな空間を備えている。まるで一粒で二度以上に美味しそうな空間だ。場合によってはこのミラーを撤去することで本来の窓が現れ、より光の入る明るい空間にする事も可能だが、やはりこの個性はそのまま活かして使ってもらえたら最高だ。