代々木オフィス | 1F居抜きセミスケルトン空間
EDIT
>>LOCATION
最寄りとなる新宿駅と代々木駅からはそれぞれ5〜6分ほど。駅周辺の賑やかな商業ゾーンからは離れ、代々木ゼミナール、東京総合病院などが立ち並ぶエリアへと向かう。この辺りは昔ながらのマンションが多く立ち並ぶ住環境だが、その中に新しめのオフィスや学校なども入り混じり、住むだけではなく、働く、学びなど、他種多様な環境という印象が強い。そんなエリアの中に、恐らく多くの方が知っているこの有名な大型集合マンションは立っている。
>>SPACE
言わずと知れた、ニューステートメナー。元々はホテルとして計画されていたという逸話が残るだけに、エントランス周りの作りや、約890室という部屋の多くがワンルームの作りなど、ホテルライクな雰囲気は色濃く感じる。そんな建物の足元。事務所専用の1F角地に、魅力的なこの空間を秘めていた。
少し味気なさを感じてしまう入口だが、その扉を入ると、いい意味で力の抜けたニュートラルな空間が現れた。現状は前テナントの居抜きというスケルトン仕様。床はモルタル仕上げ、天井は3M以上あり、奥には隣り合わせにもう一部屋ついているという理想的なかたち。奥まった立地なので元々静かな環境だし、裏の駐車場側へ向いた窓からは光もよく入り、2方向に視線が抜けていることで空間の広がりを感じられて◎。室内にはミニキッチンのみが設置され、トイレは共有部にあるものを利用できてしまうので、面積的なロスがないのも高ポイントだ。無骨で尖った見た目のわりに、その場で感じる空気感はとても穏やかで物静か。そんな空間で、のんびり働くのはとても気持ちよさそうだった。
>>HOW TO USE
この空間にいると、すごくワクワクさせられてしまう。それは概ねのベース空間はできていて、あとは少しいじるだけという絶妙な状態だからこそ、どう使ったら面白いかイメージを沸かせやすいからだと思う。例えば自分なら、入り口すぐのキッチンを大きなキッチンカウンターに作り変え、カフェっぽい作りにするだろうか。出社したらまず好きなドリンクを手に取り、好きな場所で働くみたいな、そんなカジュアルな空間。また、個人的に好きなのは、このモサモサとした配管が密集する天井。ここまで多いと、なかなかネガティブに捉えられやすいと思うが、見方によっては森の木々の下のような、いいキャラをしている。それこそ木陰じゃないが、あえてこの配管の上にも照明を配置し、影を落とすような演出も、この空間ならではの面白い感じになるんじゃないだろうか。そんな妄想を膨らまし始めると、冒頭でも伝えた通り、高揚感が止まらない。きっとこの空間はより良く、魅力的な存在になるはずだ。紹介も思わず高揚気味になってしまったが、この物静かな空間の中で感じる高鳴る気持ちを、是非実際の空間で共有させて頂きたい。
EDITOR’S EYE
レトロマンションの中にあり、その世界観を崩さず、古い味もよく出た優秀なリノベ空間だと思う。このままでも十分いいが、欲を言えば、少々to muchなエアコンは整頓、または気合入れて天カセに取り替え、よりスッキリとさせたいものだ。