南青山オフィス・店舗 | リノベーション済み木造スケルトン
EDIT
>>LOCATION
外苑前駅と青山一丁目駅の間に位置する、南青山2丁目エリア。青山と聞くと、ギラギラとした表参道側のイメージが先行するが、この辺りはちょっと雰囲気が異なる。どちらかと言うと、青山通り沿いのビジネスゾーンと、少し奥へ入ったあたりに並ぶ住環境が混じり合う、いい意味で長閑なエリア。言わずと知れた青山アドレスにいながらも、変に気取った感じがないこのエリアが、個人的には結構居心地がよくて好きな場所の一つだ。そんなエリアの一角。通りからさらに路地を入っていくと、その先にひっそりと身を潜めているこの建物を見つけた。
>>SPACE
築約50年経とうとしている古いアパートを、2021年7月に内外装すべてフルリノベーションしたこの建物。リノベ済みと言っても、新品同様に新しくなったわけではなく、古い外装を上から塗装し直し、ざっくりと、それでいて今っぽい雰囲気に整えた感じだ。
今回募集しているのは、そんな建物の1F部分。室内に入ると驚くだろう。室内は床・壁・天井、さらに柱1本1本に至るまで、徹底的にラーチ合板によって覆い尽くした、ちょっとやり過ぎなぐらいの「木」の空間。でもそれが、振り切っていてすごく面白い。元々2部屋だったものをワンルームにした事で、露わとなった柱が空間に予想もしない変化をもたらしていく。室内を歩くと、刻一刻と見え方は変化していき、急に目の前の風景が開けたと思ったら、次の瞬間には密な柱でその先が見えなくなったり。そんな、まるで森の中を歩いているような、とても不思議な感覚にさせられるような空間だった。
窓の外には2方向を囲う、広いウッドデッキスペースも付いている。それによって室内へは光も十分入るし、天気の良い日にはこの窓を全開にして、風を通しながら内外をつなげて使うのもすごく気持ちがいいだろう。
>>HOW TO USE
絶対的な空間の面白みはあるが、正直、使い勝手はとてつもなく悪いだろう。なにより柱が邪魔で、まとまったスペースも取りづらいし、既製品の家具で配置していくのもむずかしそうだ。そんなイレギュラーなこの空間を使うには、思考をシフトするしかない。ここをオフィスだと思うから、使い勝手の悪さだけが目立つのであって、例えばここを、森のキャンプ場だとイメージしたらどうだろう?木々の間のどこにテントをおこう?どこにタープをつけよう?そんな事を考えながら場所をアレンジしていくように、この空間でも、この柱と柱の間に合わせて机を作ろう。ここは囲われていてなんか居心地がいいから、もう少しテントで囲って、個室っぽくしよう、とか。きっちりかっちりレイアウトして分けるのではなく、全体的に好き勝手配置したからめちゃくちゃだけど、それでもなんか曖昧にまとまっているような緩い使い方。なんなら家具類も全てアウトドア製品で統一して、キャンプサイトさながらにハンモックを掛けたり、ランタン吊るしたり、バルコニーにはタープ張ったりと。そんな遊び方が、この空間だととても様になりそうだからまた面白く、オリジナリティー溢れる個性的な空間を思いっきり楽しんでみてはどうだろう。ただし、焚き火は絶対禁止なのでそこだけはご理解を。
EDITOR’S EYE
純粋な空間を追い求めすぎた結果なのか、室内にはエアコンや水回りなど、照明以外の設備系が一切ない。なので最初は手が掛かるが、そんな手間すら苦としない魅力と絶対的な個性をもった空間であることは間違いない。